日本は世界でも比較的治安の良い国として有名です。夜間でも女性が一人で外を歩くことができる国は、あまりありません。
そんな犯罪のターゲットになりやすいのが一人暮らしの女性です。
特に女性の場合は、空き巣や住居侵入だけでなく、痴漢などの性被害に遭うリスクが高いです。
性犯罪は外で起こるものだと考えられがちですが、実際には宅配業者を装った男が室内に押し入ってくるなど、自宅で被害に遭うケースも少なくありません。
被害者にならないためには、日頃からの対策や防犯意識が大切です。
今回は、一人暮らしの女性でも簡単にできる防犯対策についてご紹介していきます。
戸締りは防犯対策の基本です。
ですが、忘れられがちなのが、窓の戸締りでしょう。
特に、「ちょっとコンビニへ行くだけだし」と、短時間を理由に窓を開けたまま外出する人は意外と多いです。
部屋にいないほんの数分間に空き巣に侵入されたという話もあります。
また、「1階じゃないから」と油断をしていることもありますが、何階であろうとリスクはさほど変わりません。
中には、隣の家の住人が様子を窺っていて、ベランダを伝って侵入してきたというケースも実際にあります。
たとえ短時間でも部屋を空ける場合には、玄関や窓の戸締りはきっちりしましょう。
当然ですが、空き巣や押込み強盗は人に見られるのを嫌います。
そのため、侵入しようとするマンションやアパートを選ぶとき、周囲から見え難い場所を選んで犯行計画を立てます。
暮らしているマンションやアパートで死角になる場所があったり、玄関前に荷物を置いていたり、ベランダに覗き防止のために遮蔽物を置いたりしていると、空き巣や押込み強盗のターゲットにされてしまいます。
玄関前やベランダは物を置いたりしないよう整理して、死角ができないようにしましょう。
一人暮らしの女性を狙う犯罪予防に、女性の一人暮らしだとわからないようにするのも効果的です。
ベランダに洗濯物を干さない、干すときは男物の衣服をわざと混ぜておく、玄関先に女性ものの傘を置きっぱなしにしない、カーテンをユニセックスなものに変える……そうしたちょっとした工夫で、「女性の一人暮らし」を隠すことができ、防犯になります。
誰かが来る予定でもないのにチャイムが鳴ると、誰でも警戒するでしょう。ですが、相手が宅配業者だとわかれば、簡単にドアを開けてしまいがちではないでしょうか。
これはとても危険です。犯罪者が制服を身に着けて業者になりすまし、ドアが開いた瞬間に押し入ってくるという事件が実際に起こっています。今はネットでメジャーな業者の制服を手に入れることもできるので、安易に相手を信じてはいけません。
扉を開けるときには、必ずチェーン越しにすることをおすすめします。チェーン越しであれば、相手が偽物であってもすぐに押し入ってくることはできません。
チェーン越しに開けた後、荷物の宛名などを確認してから、チェーンを解くようにしてください。
また、通販を使うときには日にち指定をして、いつ荷物が届くかを把握しておくといいでしょう。
来訪者でもう一つ注意したいのが、電気・ガスなどの点検を理由に「家に入れてくれ」と言ってくるような場合です。
もちろん本物の業者のこともあるのですが、中には業者を装った強盗というケースがあります。強盗目的の場合は、相手を油断させるために複数で訪ねてくることが多いです。
一人が巧みに女性に話しかけて目をそらさせ、その間にもう一人が盗みを働く。または、巧みに嘘をでっち上げて、お金を払わせようとするといった事件が実際に起こっています。
この場合、男女二人組といった取り合わせのこともあるので、油断をして家に入れてしまい、被害に遭うこともあります。
業者であっても家に入れるときには、必ず名刺や社員証の提示を求めてください。
怪しいと思ったときには、「会社に確認させてもらう」と一旦扉を閉めてください。
また、マンションであれば、業者の来訪日はあらかじめ掲示されていることが多いので、日頃から確認しておくようにしましょう。
自宅での防犯対策も大切ですが、外に出ているときも気をつけなければいけません。
特に、夜間の仕事や学校からの帰り道は、いっそう注意が必要です。
いつも通る道だからと安心して、イヤホンで音楽を聴いたり周囲に注意を払っていないと、暴漢や痴漢に襲われることがあります。
音楽を聴いたりLINEなどメールに夢中になっていると、誰かが近づいてきても、とっさに気付くことができず、身を守るのが遅れてしまいます。
また、襲われることがなくても、尾けられるという可能性もあります。
夜道を一人で歩くときは、音楽などに気を取られず、周囲に気を配って歩くようにしてください。
一人暮らしのマンション周辺で、何かあったときにすぐに助けを求められる場所を確認しておくのも大切です。
コンビニや交番、遅くまでやっている店などをチェックしておくと、いざというときに駆け込むことができます。
いざマンションへ帰ってきても、家の中に入るまでは気が抜けません。
最近では、暴行目的で後を尾けてきて、家に入ろうとする瞬間に押し入ってくるといった事件も起きています。
これは、オートロックのマンションでも起こり得ます。
オートロックだから部外者は入ってこないと考えられがちですが、オートロックのマンションに入り込む方法はいくつもあります。
必ず家に入るときには、周囲に人がいないか確認してください。
防犯ブザーを身に着けておくのも大きな防犯対策です。
防犯ブザーは、とっさのときにすぐに鳴らせる場所につけておかなければ意味がありません。
帰路にだけ首から提げる、鞄にブザーのキーホルダーをつけるなど、すぐ手の届くところに身に着けておきましょう。
「ブザーはださい・子供がつけるもの」と敬遠されがちですが、いざ、被害にあった時に咄嗟に助けを求めることができないものです。
今回は一人暮らしの女性が簡単にできる防犯対策をご紹介しました。
ほんのちょっとした所作や心がけが防犯につながることを知っていただけたかと思います。
「マンションはオートロックだから」「部屋は高層階だから」と安心していても、その環境が必ずしも安全だとは限りません。
昨今の犯罪者たちは、様々な手口で家に侵入してこようとします。
むしろ、その慢心こそが被害につながることもありえます。
いちいち外出するときは窓を閉める、ブザーをつけるなど、「面倒だな」と思うこともあるかもしれませんが、被害に遭ってから「ちゃんとやっておけばよかった」と後悔する人は少なくありません。
日頃から防犯を意識して対策してみてくださいね。
被害に遭う前にできる防犯対策を考えているのなら、
「防犯グッズで空き巣被害を防げる?防犯グッズの選び方を伝授!」を参考にしてみてはいかがでしょうか。