


交流の頻度は基本的に、離婚を前にした夫婦の協議で決定します。
一般的には、子どもと親子交流(面会交流)するのは1ヶ月に1回程度が主流のようです。
ご家庭の都合と希望にあわせて、離婚後1ヶ月に何回程度子どもと会えるのか、その際は何時間交流できるのか、といったルールをある程度決めておくと良いでしょう。
2026年4月からは離婚後も共同親権が選べるようになります。親子交流は親権が単独であるか共同であるかにかかわらず、子どもと同居していない別居親(非監護者)が有している権利です。
ただし離婚の際には、監護者を指定するか、監護の分掌を行うか選ぶことができます。監護者を一方の親に指定し、監護親が子どもと生活していく場合には、別居している親は子どもと親子交流をして会うことができます。
一方で、監護者を一人に決めず監護の分掌をしていく場合は、親子交流の制度ではなく、分担によって子どもと関わっていくことができます。 監護の分掌には、期間による分担(奇数月は父親、偶数月は母親と暮らすなど)や項目による分担(教育は母親、医療に関しては父親が決める)といった分担方法があります。
一般的な頻度や家庭の形にとらわれず、家庭ごとの状況を鑑みて、子どものために適切な親子交流の頻度を決定しましょう。
しかし、親子交流のルールを夫婦のみの話し合いでは決定できない場合には、家庭裁判所に「親子交流調停」を申し立てることもできます。
その調停でも不調となる場合は「親子交流審判」へ決定を委ねることになります。
監護権を持たない側の親(同居していない側の親)と子どもの親子交流については、しばしば離婚の際に争いの種となります。
親子交流そのものは、非監護親によほどの落ち度がある、子どもが会うことを嫌がっている、などの事情がない限り、条件に差はあれど認められる場合が多いです。
では、交流に関する権利である「親子交流」とはどんな権利で、どのように定められているものなのでしょうか。
望月行政書士事務所
行政書士 望月義寛
親子交流とは、子どもの監護を行っていない方の親(非監護親/同居していない側の親)とその子どもが会って交流を行う権利です。
離婚をした後、あるいは離婚する前の別居時にも、この権利により交流を行うことができます。 親子交流について定めている民法第766条には、次のような記載があります。

この文面からわかる通り、親子交流において最も優先されるものは子どもの利益です。
親の都合で拒否、または強要してよいものではありません。
監護権を持つ親(子どもと同居している親)が「自分が会いたくないから、子どもにも会わせたくない」といって親子交流を制限すること、もしくは監護権を持たない親の方が「子どもは嫌がっていても、どうしても会いたい」という親子交流の回数を増やそうとすることは、望ましくありません。
親子交流は、“親との交流は、子供の健全な成長のために必要なものである”という考えからこの条項は規定されています。
子どもが自分の意思を持つ年齢(15歳以上)であれば、なおさら親側の意見を子どもに押し付けてしまわないようにしながら、離婚後の親子交流の頻度を話し合いましょう。

親子交流の内容は、基本的に監護親、非監護親の間で自由に決められるものです。
先述のとおり、15歳以上の子どもに意見があれば子ども側の意見も聞きとりながら、自由なルールで頻度や時間を決めましょう。
ですが「最初に決めておいたほうが後々もめごとにならない」という親子交流のルールは、多く存在します。
以下に代表的なものを挙げます。
などです。
離婚する監護親と非監護親、子どもの関係性により、決め事は様々に変化します。
親子交流の当日に直接当事者同士でタイムリーに連絡を取り合うことができないケースもあります。
ですので、面会交流について決めておくべきことは以上の他にも離婚問題に理解のある弁護士や、場合によっては調停委員の知恵を借りて決めることをおすすめします。

さて、親子交流についての説明でも触れましたが、親子交流について決めるときは、子どもの利益が最優先されなければなりません。
交流の頻度も、その一環として定められます。
離婚後どの程度の頻度で会えば、子どもの成長を心身ともに妨げないのか、負担にならないのか、といった事情が第一です。
子どもと同居していない非監護親がこれまでの生活で子どもと良い関係を築いており、それを示すことができれば、親子交流調停を申し立てたときに、一般的な交流回数より多い交流回数を希望しても通りやすくなるでしょう。
協議での交渉では親子交流の希望回数が折り合わず、調停、審判にもつれこんだとき、第三者である調停委員や裁判官に理解を求めるためには、よりその重要度が増します。
離婚に伴い親権でもめている場合は、とくに非監護親が監護親に対して「親子交流をしなければ婚姻費用を払ってやらない!」といってしまうことがあります。また「なるべく多く子どもと交流させてあげるから、離婚の条件を譲歩しろ」などと監護親が、非監護親に脅すようなことを言うこともあるようです。
親子交流は子どもの権利ですので、お金との引き換えや、取引条件のために行うものではありません。
多く親子交流をしたくても、このような言葉を言わないように理性的に対処しましょう。

離婚した時に決めた親子交流の頻度は、「一度決まったらそのまま」というものではありません。
ですから、一度決定した親子交流の回数も増やすことができると言えます。
これは逆に、減らすこともできるとも理解しておくべきでしょう。
親子交流の頻度は、と親のどちらかが変更を希望したときに都度、基本的に協議して変更することになります。
例えば、親子交流の回数は子どもの年齢や都合によって変化するでしょう。
子どもが保育所、幼稚園にいる間は月2回程度と決めても、習い事や塾などに時間をかけたいときには回数を減らすことを考えるべきですし、監護親の引率がなくても一人で待ち合わせ場所まで来れるようになったら、親子交流の回数や頻度を増やすことを検討する必要があります。
あくまでも優先されるのは子どもの都合ですが、親子交流の回数については離婚後どんどん変化していくでしょう。親子交流のルールは、あらかじめ融通が利くようにした方がよいでしょう。
それまで行ってきた交流の内容が子どもにとって良いものであれば、自ずと子ども本人から「会いたい」という意志表示があるかもしれません。
それらについて、親子交流の回数を協議で決めることが難しい場合は、都度、家庭裁判所へ親子交流調停を申し出ます。
調停で不調になる場合は、審判によって決定されます。
親子交流の頻度を増やしたいと考えたときには、まず念頭に置いてほしいことがあります。
協議で決まらず、親子交流調停、審判に進んだ場合、重要視されるのは、「前回、親子交流についての条件の決定を行ったときから、親子交流の頻度を増やさなければならない状況の変化があったか」ということです。
親子交流の頻度は、道理にかなう正当な回数の増減であれば認められるでしょう。
幼いうちの親子交流は、子どもと同居している側の親も同行することがほとんどですが、離婚の原因によっては親同士が会うことによって、子どもと同居している親の精神状態が不安定になることがあります。それがさらに子どもへ良くない影響を及ぼすこともあります。
そのために、子の福祉を優先して親子交流の回数を抑える、などということもありますので、親子交流を増やしたいと考えるなら、元配偶者と良好な関係を築くことが最善といえるでしょう。
つまり、子どもとだけではなく、離婚した配偶者(監護権を持った親)と良い関係を保つことができれば、親子交流機会を増やすことができる交渉が、スムーズに行えるかもしれないのです。

離婚調停中や離婚を前提で別居しているときにも、子どもと同居していない非監護親は、子どもに会いたい気持ちを募らせるはずです。
離婚前であれば非監護親でも親権はまだ持っていますし、親子交流がされなければ、それ自体が子どもの福祉や利益を損ねることもあります。
希望すれば、親子交流は原則として認められるでしょう。
ただし、離婚条件についての話し合いがまだ成立していない段階での親子交流は、連れ去りや、交渉駆け引きの材料になってしまう、といった問題も起こりがちです。
そのため、同居している側の親が親子交流について応じないことも多々あります。
そういった懸念がある場合や、夫婦間の関係があまりによくない場合には、第三者を介して親子交流を行うという工夫等をする譲歩をすると良いでしょう。
また、離婚調停をしている最中でも、別に親子交流調停を申し立てることもできます。

離婚の選択をした夫婦のなかには、いくら子どもがいても直接顔を会わせたくないと強く思う方がいます。
親子交流を拒否する理由が、親同士が顔を会わせたくない、という理由だけならば、親子交流のための第三者機関を利用してみるという提案を相手にしてみましょう。
自治体の支援員による仲介のほか、親子交流を支援するNPO法人も存在します。
親の代わりに子どもの受け渡しを行ってくれたり、親子交流に付き添ってくれたり、場所の提供をしてくれることもあるでしょう。
第三者がいれば親子交流に意欲的になる方もいるので、もし親子交流を拒否されてしまう原因が親同士の仲にある場合はぜひ利用してみてください。
また、子ども自身が会いたくないといっていても、その意志だけで親子交流を拒否され続けるとは限りません。
同居している親のために、子どもが気を遣って親子交流を拒否している、というケースもあるからです。
なお、その見極めをするためには、家庭裁判所の調査官によって子どもの意見の聞き取り調査などが行われます。
とはいえ、暴力やモラルハラスメント等のDVが子どもにも及んでいたような離婚原因の場合には、監護権を持った親は親子交流を拒否することができます。
子どもに犯罪行為を行わせていたり、暴力だけではなくひどい言葉をかけている事実がある場合や、前述のように連れ去る危険性がある場合なども、監護権を持った親は親子交流の拒否ができます。

非監護親に上記のような瑕疵がないとき、そして第三者の立ち会いなどを提案した場合でも、親子交流を拒否されつづけたときには、家庭裁判所に「履行勧告の申出」をしましょう。
「履行勧告の申出」をすると家庭裁判所から、相手方に親子交流を行うよう促してもらうことができます。とはいえ、「履行勧告の届出」は、親子交流調停や審判後に、親子交流の条件として決定したことを督促するだけのものです。
そして、家庭裁判所の勧告がきても応じてくれないときもあります。あくまでも呼びかけなので、強制することはできない点が問題です。
また、相手が勧告に応じてくれないときには再度調停や審判を行うという方法があります。
あらためて協議することで和解できる可能性もありますし、裁判で取り決めをし直すことで強制執行を設定することもできます。
調停や審判で取り決めたにも関わらず、ずっと約束を守ってもらえない場合、強制執行(間接強制)の手続きを取ることができるようになります。
強制執行といえども、強制的に子どもを連れ出すことはできないため、相手が守らなかった場合に制裁金を課すという形で行われます。

まず、親子交流は子どもが主人公である、ということは忘れずにルールを決めましょう。
親子交流の時に、子どもの生活基盤を曖昧にすることも良くありません。
両親の家を頻繁に往復したり、長期間どちらかに宿泊を繰り返すような生活では、子どもも疲れてしまうでしょう。
親子交流の連絡を取り合う際は、離婚後ですので、親同士必要以上に仲良くする必要はありません。大人として、模範的な態度であれば問題はありません。
親子交流において、遅刻などのルーズな行いをしないことは大事です。子どもにも相手にも敬意をもって接しましょう。
こうしたことを積み重ねると子どもだけではなく、親同士の信頼も得られるので、親子交流を上手に継続させることができるでしょう。
さらに、子どもの体調が突発的に悪くなってしまった、というときに無理をさせてはいけません。
余裕をもって対応しましょう。
親子交流の最中は、はじめは、子どもと一対一の信頼関係をしっかり築くことに注力してください。
のびのびと過ごせるように、そして子どもの心を守るためにも、何事も落ち着いて面倒をみてあげてください。
とはいえ、行きすぎたサービスやプレゼントをしたり、子どもを甘やかしすぎることのないように気をつけましょう。
監護親に伺いも立てずに勝手な約束を子どもとする、ということもしないようにするべきです。
そして親子交流中には「生活はどうなの?変なことされてない?」と、相手と子どもの関係を伺うようなことは聞かないでおきましょう。別居しているため、気にはなるでしょうが、子どもが話していること以上は聞かない方が良いでしょう。
同居している親も、気になるとは思いますが「どうだったの?」とは聞かない方が賢明です。
うっかり相手と子どもの関係性に口を挟んでしまうようなことを言えば、必要以上に子どもが大人の顔色を見てしまうことになってしまうかもしれません。
また子どもが進んで嫌だったことを話したとしても、一緒になって悪口を言ってはいけません。
親同士が相手の悪口を子どもの前で言わないというのは、子どもの精神衛生のために重要な事です。
親子交流の度に悪口を聞かされたり、親の機嫌をとる必要がでてくるようになると、最終的に親子交流が子どもにとって重圧になってしまうこともあるのです。
このようなことを気をつけながら継続して親子交流を行うことで「離れていても、親に愛されている」と子どもに自信をもってもらえるようになるはずです。

ここまで何度も、「親子交流において優先されるのは子の利益・福祉」とお伝えしてきました。
離婚は夫婦ふたりのみの問題では済まず、子どもにとっても一生遺恨を残しかねない出来事です。
子どもが心身ともに健やかに成長できることを優先に考え、子どもにもしっかりと離婚後のことについて説明しましょう。
離婚は子どものせいではないことをよく噛み砕いて説明し、離婚後は毎日会うことは難しくとも親子交流の機会があることも教えましょう。
子どもに嘘をつくなどはもってのほかです。
真摯な態度を取ることで、結果として、子どもとの親子交流そのものを増やすことに繋がります。
最後に、将来、親が再婚することもあるかもしれません。
そのときに、親子交流が中断してしまうことも多くあるようです。
実の親との交流を断ち切ることは、果たして子どもの福祉や利益のためになるのでしょうか?
再婚したときも、子どものことを第一に考え、親子交流を継続することが望ましいでしょう。