夫婦とはいえど、必ずしも一緒に暮しているとは限りません。
単身赴任で一方が別の土地で生活している場合や、出産のための一時的な里帰り、不仲を理由に別居しているという場合など、様々な事情から夫婦が離れて暮していることがあります。
別居中は、夫婦がお互いに自分だけの時間を取ることが可能になります。 しかし、それをいいことに「パートナーの目がない」と思って油断し、浮気するというケースは少なくありません。
そのため、弊社でも、別居中のパートナーの素行・浮気調査を依頼されることがよくあります。
別居中の浮気調査は、相手が油断をしている分調査が進めやすく、証拠を手に入れやすいという利点があります。
しかし、逆に注意が必要なこともあります。
今回は別居中の浮気調査について、注意点などを中心に解説していきます。
別居してから浮気調査をするにあたって、注意しなければいけないことは大きく分けて2つあります。
順番に具体的な内容を見ていきましょう。
探偵の浮気調査において、調査対象の行動スケジュールは非常に大きな意味を持ちます。
「こういうルーティーンで動いている」という情報があるだけで、予備調査が不要になるため、調査期間を短縮することができます。
しかし、別居をしていると、パートナーの行動パターンが見えにくくなります。
そのため、探偵は行動パターンの予備調査を行う必要がでてきます。そうなると調査は長引いてしまい、当然支払う費用も増えてしまいます。
可能であれば、定期的に連絡を取るようにして、相手のスケジュールや行動パターンを把握しておくことが望ましいでしょう。
たとえ相手の浮気の証拠をつかんだとしても、場合によってはその証拠が無効になってしまうことがあります。
それが、離婚を前提に別居をしている場合です。
現在日本の法律では、婚姻関係において同居が前提となっています。
そのため、まだ離婚をしていなくても、別居した状態だと「婚姻関係が破綻している」とみなされる可能性があるのです。
浮気を理由として離婚の請求をしたり、慰謝料を請求するためには、「浮気が原因で婚姻関係が破綻した」という証拠が必要になります。
そのため、別居と証拠取得のタイミングによっては、「すでに婚姻関係が破綻した後の浮気である」とみなされ、効力がなくなってしまう可能性が出てきます。
相手の不倫が原因で別居をしている、と主張しても、別居前から浮気していた証拠を調停委員、裁判官に提示できなければ、別居後からの不倫である、とシラを切られることも考えられるのです。
そのため、別居後の調査で浮気、不倫をしている動かぬ証拠が出たのなら、過去にも浮気相手と接触していた、という証拠もセットで確保することが望ましいと言えます。
前項で、離婚を前提とした別居では、「婚姻関係が破綻している」と見なされ、その後の浮気に対する法的措置は認められない可能性が高いことをお話しました。
もしもその浮気が別居の原因である場合は、別居前の浮気の証拠も取っておけば、別居後の調査で得た証拠も有効です。
では、別居後の浮気に対しては何の法的措置も取れないのでしょうか?
方法がまったくないというわけではありません。「婚姻関係が破綻していない」と裁判所に思わせることができればいいのです。
基本的に単身赴任などを理由としない別居は「婚姻関係の破綻」と見なされるケースが多いですが、ちょっとした工夫でそれを崩すことができます。
上記のような行動を積極的に心がけて写真などに残しておくといいでしょう。
こうした証拠があると、「婚姻関係が完全に破綻していたわけじゃなかった」と認められ、別居後の浮気であっても離婚や慰謝料請求が認められる可能性があります。
離婚前提で別居をしていて、別居後に調査をする場合は、浮気の調査と並行しつつ婚姻関係が破綻していない証拠作りもしておくことをおすすめします。
別居した後に調査を行う場合の注意点などを解説してきました。
浮気調査で大切なのは、別居前であっても別居後であっても「なるべく早くに動くこと」です。
裁判では、浮気期間の長さや回数が判決を大きく左右します。浮気の証拠は多ければ多いほどいいのです。
加えて、別居が長引くにつれて相手の行動パターンが読めなくなっていくというデメリットもあります。
そのせいで調査費用が余分にかかってしまうことも考えられます。
また、前項で触れた「裏技」のように、調査とはべつに自分で準備しておいた方がいい事柄もあります。
少しでも「怪しい」と思ったなら、延ばし延ばしにはせずに、まずは動いてみてください。
浮気調査ではなく、パートナーが別居中にどういった生活を送っているかを把握するための単発の素行・行動調査を依頼してみる、という手もあります。
ご自分の状況や予算に合わせて、調査の形を検討してみてくださいね。