探偵事務所や興信所の調査員になるために、特別な資格は必要ありません。
しかし、調査員として働くために必要な資質というものはあります。
探偵調査員に求められる資質には、主に次のようなものがあります。
それぞれの資質について、詳しく見ていきましょう。
探偵の業務内容のメインとも言える調査。
この調査が、実はとてもハードな就労環境になるケースが多いのです。
探偵が受ける調査は、浮気調査や素行調査、人探し調査などさまざまですが、そのほとんどの調査に、尾行や張り込みといった調査手段が必要になります。
尾行や張り込みは必ずしも屋内で行えるわけではありません。
むしろ、屋外や車の中などの狭い空間で行うことがほとんどです。
真夏の猛暑の中や真冬の極寒の中でも、調査対象者の行動に合わせて尾行や張り込みをしなければなりません。
しかも、張り込みの際は何時間も同じ場所にとどまらなければいけませんから、忍耐力が必要になるのです。
調査現場が過酷になりがちなのは前項でも触れたとおりですが、そんな中でもしっかりと調査の結果を出すためには高い集中力も欠かせません。
探偵の調査では多くの場合、証拠を獲得するために写真や動画などの撮影を行います。
この撮影が上手くできなければ、調査成功とは言えません。
どんな状況下でも証拠を抑えるチャンスを逃さず、確実に有力な証拠を撮影するには、集中を切らしてはいけないのです。
現場ではどんな不測の事態が起こるかはわかりません。
対象者が想定外の動きをしたり、尾行で見失ったり、調査とは関係のないアクシデントに見舞われることもあります。
そんなときに、決して取り乱さずに臨機応変に対処できる冷静さと頭の回転の速さが必要です。
聞き込みを行う際や、周辺の人に声をかけられた際などは、自然な会話で怪しまれないようにしなければなりません。
人見知りで初対面の人を前にするとテンパってしまう、というようでは務まりませんので、コミュニケーション能力も求められます。
調査員には体力も重要です。
調査にかかる時間や、調査を実行する時間帯は、依頼内容によってまちまちです。深夜から調査を開始することもあれば、早朝から出勤して調査に向かわなければならないこともあります。
事務所の勤怠管理で、できるだけ無理のない勤務になるように調整してもらえる場合もありますが、全ては入ってくる依頼次第ですから、勤務の時間帯は不規則になります。
当然、私生活のリズムも不規則になるため、体力に自信があり、なおかつ自分で体調管理をしっかりできなければいけません。
探偵調査員の仕事に資格は必要ありませんが、見ていただいたとおり、誰にでも簡単に務まる仕事ではありません。
ここでご紹介した全ての資質をはじめから備えていなくても、探偵調査員として働きたいという強い思いがあれば、就職後、実践をこなしていく中でその資質が育っていく可能性も十分あります。
自分に欠けているなと感じる資質があるのであれば、ぜひ今からでも補う努力をしてみてください。