いつなんどき、誰が被害に遭うかわからないストーカー行為。
もし被害に遭ったとして、自力で証拠を収集する必要があるか、という問いには、首をかしげる方も多いのではないでしょうか。
まずは、なぜわざわざ証拠を収集する必要があるのかを解説します。
警察に被害届を出すと、事情を詳しく聞かれたり、もっと直接的に、犯行を裏付ける証拠を求められたりする場合があります。
事情を聞かれるときには何が自分の身に起こっているのか順序立てて話す必要がありますから、時系列順のまとめを作っていく方がよいでしょう。後述しますが、これも立派な証拠のひとつです。
さらに、被害届を出しただけでは、すぐに捜査が開始されるとは限りません。
しかし、被害があることを裏付ける証拠品があれば早々に何らかの対応を取ってもらえる確率が上がります。
これらの理由から、警察に被害届を出す際は証拠があることが望ましいと言えます。
警察への被害届からさらに進み、何らかの形で裁判になった場合、優位に戦うためには必ず証拠が必要です。
刑事事件として裁判になる場合でも、民事として損害賠償を請求する場合でも、その必要性は変わりませんが、民事の場合のほうが、自分自身で準備をしないといけないことは多いです。
犯人が言い逃れる道を塞ぐためにも、しっかりと準備をするべきと言えます。
では、実際にストーカー行為の証拠となるのはどのようなものなのでしょうか?
以下でひとつずつ見ていきましょう。
ストーカー行為(つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、羞恥心を煽るような言動、汚物を放り込む など)を行われたとき、それらを撮影、録音しておくことで、直接的な証拠として扱うことができます。
しかし、実際にストーカーが被害者の近くにいるとき、撮影や録音を行うことは、危険を伴うことも多いため、無理をしてはいけません。
など、相手に気づかれないように行う必要があります。
気持ち悪いと思いますが、ストーカーから送られてきたものは保管しておきましょう。
日付、時間を書いて密封できる袋(ビニール袋など)に放り込んでしまうことをおすすめします。
手元に置いておきたくない場合、信頼できる誰かに預けるか、小規模なレンタルスペースを借りてそこに押し込む、というのも一つの手です。
ストーカーはしばしば、対象への過剰な連絡を繰り返します。
常識を外れるような頻度の連絡は、ストーカーの異常性を示すことになるため、証拠として重要視されることも多いです。
電話が来る場合はそれを録音し、通話履歴の記録をとっておきましょう。
スマートフォンの音声を録音できる機材が売っているので、それを購入することをおすすめします。
メール、メッセージなどは、プリントアウトしてもいいかもしれません。
内容だけではなく、送信者、送信時間なども記録しておくことが望ましいです。
万が一身体的な傷を負わされるような事態になった場合、速やかに警察に駆け込むのが一番です。
しかし、ストーカー行為により精神的な被害があっても、身体的な怪我よりも証明が難しいこともあるでしょう。
また、ストレスで消化器に負担がかかった場合なども同様です。
傷や病の具合、発症時期を記録し、ストーカー行為との因果関係を示すためには、医師の診断書が必要です。
病院にかかる場合は、現状を正直に知らせた上で、必ずもらっておきましょう。
ストーカーの身元がわかっている場合、情報のまとめを作っておきましょう。
知っていることをすべて書き出しておくことで、捜査や調査の助けることができます。
冒頭でも触れたとおり、被害の時系列、頻度を記録しておくことで、いざ警察に行ったとき被害の説明にも、捜査の裏付けなどにも役立ちます。
第三者にわかるようにまとめを作っておきましょう。
そのとき、どのような心情であったかも書いておくとより良いです。
まず前提として、ストーカー被害にあったとき真っ先に駆け込むべきなのは警察署です。
すぐに動いてもらえない可能性もありえますが、もし直接犯人にアクションが取れなくても、見回りを増やすなど、できる範囲での対処を行ってくれるためです。
警察も、限られた人員で業務を担っている以上、被害が出ないとできない対応もあります。
そんなとき、警告、接近禁止命令など、より強い対応をとってもらうため、ストーカー行為の証拠はとても大事になります。
ただし、証拠を自力で収集しなくてはならないとき、相手に直接自分から接触するなどの行為は大変危険なのでやってはいけません。
その場合は、探偵などの第三者を頼ることをおすすめします。