今、多くの人がInstagramやTwitter、FacebookなどのSNSを利用しています。
友達と一緒に楽しく遊んだ事を投稿したり、おいしい食事を食べに出かけたことや、休暇に出かけた旅行の報告をすることが普通になっているでしょう。
SNS上で共感してくれる人もいれば、友達同士で情報を共有するためだったり、多少は自慢したい気持ちもあると思います。
楽しかったことを誰かに知って貰いたいというのは決して悪いことではありませんが、SNSに投稿した情報を見る人全てが、純粋にその情報を楽しむ人だけではありません。
SNSに投稿した情報を見る人はそれこそ世界中にいて、その中にはよからぬことを考えている人もいます。
たとえば、空き巣犯もSNSをチェックしているでしょう。
高価なコレクションを写真に撮ってSNSに投稿したことがきっかけで、空き巣犯にマークされることもあります。
たとえば、空き巣犯が他人のSNSからターゲットを物色している、ということがあります。
SNSの投稿情報を元に、住所を割り出され、留守かどうかが判断がつけば、その空巣犯が犯行を実行してしまうのです。
実際に海外の犯罪調査では、空き巣に入った犯人が、どのように家主の留守を調べたか調査をすると、半数以上が「SNSで留守を知った」というのです。
では、どのようなSNSの投稿が空き巣に利用されやすいのでしょうか?
SNSを日常的に使っている人なら、自分のプライバシーに関する情報を安易に投稿するのは、危険を呼び込む行為であることを認識しているでしょう。
プライバシーとは、個人情報のことですが、名前や住所だけのことではありません。
ただし、名前や住所をさらしていないからといって、それで必ずしもプライバシーを守れているとは限りません。
なにげなく投稿した内容が、結果的に個人情報の特定につながったり、空き巣犯を呼び寄せてしまうことがあります。
果たして、自分が正しくプライバシー情報を守りながらSNSに投稿しているかどうかは、自信を持てない人も多いのではないでしょうか。
空き巣などの犯罪から身を守るためには、SNSに投稿する情報に注意を払う必要があります。
空き巣犯にとって重要なのが、空き巣に入る家の主が確実に留守にしていることです。
そのため、長期旅行に出かけている人の家は、空き巣犯にとって格好の標的になります。
以前なら、ポストに郵便物が溜まっている家、家の前が掃除されていない家などが標的にされていました。
しかし今では、そんな事をしなくても、SNSで「今○○にいるよ」といった投稿を探せば、旅行中の人を特定することができてしまいます。
なんの躊躇もなく、旅行中にSNS上に旅の記録を投稿する人は多いです。
しかし、その情報が元で空き巣を呼び寄せてしまう可能性があることを覚えておきましょう。
SNSで旅行へ行く、高級品を持っていると投稿しても、その投稿だけで空き巣犯が狙ってくるわけではありません。
自宅を特定できない限り、空き巣犯も狙いようがないからです。
SNSで自宅の住所をプロフィール登録したり、投稿に住所を載せる人はほぼいないと思います。
ですが、住所を直接投稿していなくても、他人の住所を特定するのは不可能ではありません。
例えば、電車に乗ろうとしたときその電車が遅延していて、最寄り駅で足止めされたとします。
そんな時、「○○駅で電車遅延○○分だって」とSNSで投稿したとしたら、あなたの家の最寄り駅がどこかわかります。
また、近況報告として、自宅で撮影した写真をSNSにアップロードしたりすると、写真にあなたの家の位置情報が記録されている場合もあります。
実際にあった恐い話として、顔写真の瞳に映った景色から自宅を特定した、というものもありました。
これはアイドル活動をしていた女性が自称ファンの男に自宅を特定されたという事件ですが、たとえ住所を投稿しなくても、写真に映りこむ些細な情報が、自宅特定の手がかりになってしまうことがあるのです。
空き巣対策として、「自宅に現金を置かない」「そもそも空き巣に入られても盗まれる物を置かない」、という環境を作っている人もいるでしょう。
しかし中には、自分が高価な物(高価なブランド品や、高級腕時計、高級ジュエリーなど)を所有している事を、SNS上で投稿してしまう人もいます。
高価な物の写真を撮ってひんぱんにSNSにアップをしていると、その人の経済状況が大体予想できてしまいます。
こうした高価な品を持つ人が空き巣犯に狙われやすいのは、言うまでもありませんよね。
また、最近多いのが、レアグッズなどのコレクションをアップしているケースです。
アニメなどのグッズも高く取引されるものが多く、空き巣犯たちのターゲットになっています。
実際、2020年には、カードゲームのコレクター2人が立て続けに空き巣に入られるという事件が発生しました。うち一人は、被害総額が1億円を超えています。
被害者二人に共通していたのは、ともにSNSを使っていたことで、SNSにアップした投稿から個人情報を割り出されたと考えられています。
アニメなどのグッズは、高価なブランド品とちがって趣味のイメージが前に出るため、SNS上でためらいなく挙げてしまう傾向にあります。
こうした嗜好品も狙われるリスクがあることを認識しておきましょう。
空き巣を防ぎつつ、SNSを安全に使うにはどうすればいいのでしょうか?
「空き巣を恐れていてはSNSを楽しく利用することが出来ない!」と思う人もいるでしょう。
空き巣を防ぎつつSNSを安全に使う方法をご紹介します。
SNSでは情報の公開範囲を指定することができます。
投稿を見ることができるのはフォロワーだけ、リアルの友達や家族にだけ、というように公開する範囲・情報公開のレベルを自分で設定することができるのです。
こういった機能を積極的に使うことで、SNSの投稿を不特定多数の人に見られる可能性は少なくなります。
旅行に行った事をSNSで投稿したい場合は、旅行中のリアルタイムではなく、帰宅してから「〇〇に行ってきました」と過去形で投稿するといいでしょう。
過去形投稿に変えるだけで、留守を狙われるリスクが下がります。
SNSの投稿はスマホを使って行っている人がほとんどだと思いますが、SNSの投稿にGPS情報を付与しているケースがあります。
スマホのGPS機能の設定で、SNSでのGPS利用をOFFにしておくことも忘れないようにしてください。また、スマホそのもののGPS機能をオンにしていると、写真を撮影した際に、GPSの位置情報が写真に埋め込まれます。
この写真に埋め込まれた位置情報を元に、居場所を割り出そうとする空き巣等犯罪者もいます。
大手のSNSでは、写真をアップロードすると自動的にその位置情報が削除される仕組みになっていますが、中にはその仕組みがないサービスもあります。
確実に写真に位置情報を埋め込まないためには、スマホそのもののGPS機能を必要時以外はオフにしておくことをオススメします。
空き巣は、「狙う価値がある家」と「侵入の隙がある家」両方の条件を満たした家を狙います。
SNSがなかった時代には、自分の足で街を見て回って家を物色し、家人の行動パターンを調べた上で空き巣に入る、というケースが大半でした。
ですが、SNSの普及で、それらの下調べがネット上でもできるようになったといえるでしょう。
高級バッグやレアグッズのコレクションに限らず、裕福に見えるような生活スタイル、しょっちゅう海外旅行へ行っているなども「お金がある家」という印象を抱かせてターゲットになりやすいです。
一番いいのは、いたずらに投稿しすぎないことでしょうが、投稿するのであれ、自分の行動パターンを明かさない、住所を特定されるように気を配るなど、注意をしておきましょう。