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  4. 離婚するためには、どのような方法がありますか?

離婚に必要な条件は何がありますか?

A: 離婚の条件は、民法によって定められています。
ままた、夫婦関係が破綻していて修復が不可能な状態だと、離婚が認められる場合もあります。
離婚を成立させるためには、条件を満たしていて修復が不可能であることを証明する必要があります。


「離婚したい」

そう思っても、夫婦どちらか一方の判断だけで、勝手に離婚することはできません。

夫婦が互いに離婚に合意し、役所に離婚届を提出することで、初めて離婚が成立します。

当事者同士が話し合いで離婚に合意することを協議離婚といいます。 ですが、夫婦のどちらかが離婚を拒み、協議で立ち行かないことがあります。そんなときは、調停や審判、裁判によって離婚請求を行います。

調停や審判、裁判では、離婚の求めが正当なものかどうか、民法で定められた離婚の条件と照らし合わせながら判断されます。

つまり、たとえ相手が離婚を拒んでいても、離婚を求める理由が正当なもので、第三者から見てもこれ以上健全な夫婦生活を続けていくことは困難であると認めさせることができれば、離婚することができるのです。

ここでは、


法的に認められる離婚の条件とは?
 
こうすればいい! 離婚条件成立の立証ポイント
 
有責配偶者からでも離婚請求はできる?

  ということを、徹底解説していきます!

法的に認められる離婚の条件とは?

民法で定められた離婚の条件には、次の5つが挙げられます。

  • 夫婦どちらかの不貞行為
  • 生活費を家に入れないなどの悪意の遺棄
  • 消息がわからなくなって3年以上経過し、生死不明の場合
  • 夫婦どちらかが回復の難しい重度の精神病を患った場合
  • 夫婦生活を継続しがたいその他の重大な理由があった場合 ※

※その他の重大な離婚理由として認められた例としては、DV、浪費・借金、正当な理由のない性交拒否、犯罪行為、性格・価値観の不一致、宗教問題などがあります。

参考URL:e-Gov法令検索 民法770条

この5つの条件のいずれかに該当する事情がある場合、相手が離婚を拒否していたとしても離婚することができます

ただし、上記の条件に当てはまっていることを、裁判の場で立証し、認めてもらうことが重要です。

離婚条件が成立していることをどうやって証明すればいいのか?
次項で詳しく見ていきましょう!


こうすればいい! 離婚条件成立の立証ポイント

民法で定められた5つの離婚の条件、それぞれの立証ポイントをチェックしていきましょう!

1.夫婦どちらかの不貞行為

不貞行為の立証には、パートナーと不倫相手の間に肉体関係が存在することを推定させる証拠を集める必要があります。

不貞(浮気)の証拠として離婚を立証する材料になりやすいものは、以下のものです。

  • パートナーと不倫相手がラブホテルや相手の家に出入りする写真、動画
  • パートナーと不倫相手が旅行している写真、動画
  • パートナーが不倫を認める動画、音声データ
  • ラブホテルの領収書(単体では弱いため、写真などと一緒に)
  • 不貞を働いたと判断、推認できるLINEやメール
  •  など。


証拠は多ければ多いほど、不貞行為の立証に有利に働きます。浮気の証拠については 「浮気相談はどこにする?離婚裁判で勝つための浮気の証拠 」 でも説明をしています。


2.生活費を入れないなどの悪意の遺棄

悪意の遺棄も離婚の条件です。悪意の遺棄とは、生活費を入れないなど「扶助義務を怠る」ケース、専業主婦(夫)にも関わらず家事をしないなどの「協力義務を怠る」ケース、正当な理由なく家を出るなどの「同居義務を怠る」ケースがあります。

これら悪意の遺棄の立証では、正当な理由なしに夫婦の義務が放棄されている証拠を用意します。

 悪意の遺棄の証拠例

  • 生活費を入れてもらえなくなった場合、振込がなくなったとわかる通帳の入金記録
  • 理由なしに家事を放棄している際は、散らかった部屋など家事が行き届いていないとわかる写真
  • 一方的に相手が家を出ていった場合、それがわかるメモ、メール、会話記録

 などが挙げられます

3.消息がわからなくなって3年以上経過し、生死不明の場合

パートナーが生死不明であることを立証して離婚する場合、「パートナーを探すために手を尽くしたものの見つからなかった」という事実を提示する必要があります。

証拠になりやすいもの

  • 捜索願の受理証明書
  • 親類や友人、仕事関係の人たちなどの陳述書
  •  (他の人のところにも連絡がないことを証明します)

また、パートナーが生死不明の場合、離婚裁判とはべつに「失踪宣告をする」という手段もあります
失踪宣告とは、生死が7年わからないとき、申告・手続きをすることで亡くなったと見なす制度です。離婚裁判が3年で起こせるのに対し、失踪宣告には7年かかりますが、財産相続の必要がある場合にこちらを選択するケースがあります。

4.夫婦どちらかが回復の難しい重度の精神病を患った場合

精神病が離婚の条件として認められるためには、「夫婦として正常な結婚生活の継続が期待できないこと」、そして「回復の見込みがないこと」です。
離婚原因として認められやすい精神病としては、躁うつ病、偏執病、統合失調症、早期性痴呆などが挙げられます。
逆に、アルコール依存症、薬物中毒、ノイローゼ、ヒステリーなどは認められにくい疾患です。

 精神病による離婚の証拠になりやすいもの

  • 医師による診断書
  • 治療が長期に渡っていることを証明できる書類など
  • これまで治療に協力し生活の面倒を見てきたことが察せられる日記や知人の証言
  • など。

パートナーの精神病を理由に申し立てる際には、立証とは別に、離婚後にパートナーを誰が看病するのか、療養の費用はどうするかなどの具体的な指針の提示が必要になるので注意です。


5.夫婦生活を継続しがたいその他の重大な理由があった場合

「パートナーからの暴力・虐待」であれば、不貞と同様にその暴力などについての証拠をきっちり押さえることが重要です。

DVに該当する行為については「どんな行為がDVに該当しますか?」で紹介しています。


DVについての証拠が多ければ多いほど、離婚に有利に働きますので確認しておきましょう。

 暴力・虐待による離婚の証拠になりやすいもの

  • 負傷した際の写真や医師からの診断書
  • 暴言などの音声、動画
  • 生活費を渡していないことが分かる預金通帳

など。

ですが、「性格や価値観の不一致」や「性交拒否」、「浪費・借金」などは、立証が難しく、 それだけだと離婚原因として認められにくい傾向にあります。

こうした離婚したい事由の立証が難しい場合は、すでに婚姻生活が破綻していることを立証していく手段を取りましょう。

また、婚姻生活が破綻している証拠になりやすいものとしては、「別居をしていることがわかる書類(住民票や公共料金の支払い証明など)」を集めると良いでしょう。
別居5年ほどで破綻が認められ、離婚がしやすいようです。こちらについては、詳しくは「別居したら何年で離婚が成立しますか?」で紹介しています。

有責配偶者からでも離婚請求はできるの?

法的に認められる離婚条件の中に「夫婦どちらかの不貞行為」を挙げました。

こうした不貞が理由の場合、被害者側(パートナーに不貞をされた側)が離婚を求めることが大半です。
しかし、中には加害者側(不貞行為をした側)が、不倫相手と一緒になりたいなどの事情から、離婚を求めるケースがあります。

このように、夫婦関係を悪化させる原因を作った有責配偶者側からの離婚請求は認められるのでしょうか?

基本的には、離婚請求された相手側が承認しない限り、法的に有責配偶者からの離婚請求は認められないことがほとんどです。

しかし、例外もあります。

有責配偶者からの離婚請求が認められやすい条件

  • 別居期間がある(長ければ長いほどいい)
  • 既に子どもが独立していて、養育が必要な子どもがいない
  • 離婚によって、配偶者の離婚後の生活が過酷な状況にならない

不貞行為をはたらく前から夫婦関係が破綻していたことが証明されたり(主に別居の事実)、夫婦関係の継続が難しいと判断されるような場合では、離婚が成立することもあります。ですが、上記条件を満たしていても難しいことも多々あります。

ただし、有責配偶者からの離婚請求に関しては、かなり厳しい基準で判断されることになるのをお忘れなく。

離婚条件の成立は、いかに第三者に「立証」できるか

これまで、法的に離婚が認められる条件と、認めてもらうためのプロセス、ポイントをお伝えしてきました。
その過程でおわかりいただけたと思いますが、離婚で大切なのは「いかに第三者に事由を認めさせるか」「立証できるか」です。

立証のためには、誰が見ても納得できる「証拠」が必要です。
証拠を効率的に集める手段として、弁護士事務所はもちろん、証拠集めのプロである探偵事務所や興信所などに相談いただくのもひとつの手であると考えます。