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離婚した後の生活費が不安です。生活保護を受給する条件を教えてください。

A: 離婚後の収入が最低生活費に達していないことや、土地などの資産をもっていないなどの条件があります。
生活保護を受給するのに、必要な条件を解説したいと思います。

離婚した後に、本人が生活保護の受給資格に当てはまっていれば生活保護を申請することができます。

しかし近年、生活保護受給者数の膨張により各自治体の財政が無理を強いられているという状況に加え、生活保護の不正受給が問題となっているため、審査は非常に厳しく本当に保護が必要な人でも審査が通らないこともあります。

また、福祉事務所の担当者によっては申請すら受け付けてくれないということも実際にあります。たらい回しにされないためにも事前に出来る手続きは全て済ませておかなければなりません。

生活保護制度とは?

そもそも生活保護とはどのような制度なのでしょうか?
生活保護制度について厚生労働省は次のように説明しています。

“資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。”
(引用元:生活保護制度 |厚生労働省

「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方」のための保護制度ですから、働ける体をもっているならまず働かなければいけませんし、生活費に換金できる資産を持っている場合はまずそちらを使って生活を成り立たたせる努力をしなければなりません。そして、生活保護を受けることになった場合も、常に自立するための努力を行うことが大前提となります。

しかし実際のところ、一度生活保護を受けて最低限でも保障された生活に慣れてしまうと、その後働こうという意欲が湧かず、なかなか自立できない受給者の方も多いようです。それが受給者の膨張に繋がり、新たな申請者のための受け皿が用意できず、生活保護は狭き門となってしまっています。


生活保護の受給資格は?

生活保護を受給できるのは、次の条件に当てはまる方です。

  1. 収入が最低生活費に達していない
  2. 土地や車、預貯金などの資産を持っていない(持っていても最低生活費に足りない)
  3. 援助してくれる家族・親戚が全くいない(援助があっても最低生活費に足りない)
  4. 働くことができない事情がある
  5. 他の支援制度を利用してもなお最低生活費分を確保できない

働くことができる人は生活保護を受けることができないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、働いていても収入が最低生活費に届かない場合は、生活保護を受けることができる可能性があります。

資産に関しても同様で、預貯金額や、土地や車などのお金に換える事のできる資産を全て売却して作った金額が最低生活費に届かない場合は、生活保護を受けることができる可能性があります。

また、生活に困窮する人のための支援制度は生活保護だけではありません。児童手当やひとり親家庭手当、所得に応じた減税・免税制度など、地域によって名称や内容に差はあれどさまざまな支援制度があります。

それらの制度を最大限に利用してもなお、最低生活費分を確保できない場合には生活保護を受けることができる可能性があります。

ただし、自分では条件を満たしていると思っていても、すんなり申請が通るとは限りません。
これらの条件に当てはまり、本当にもう生活保護制度を利用しないとどうにもならないという状況であることを確認するために、福祉事務所は申請者について詳細な調査を行い、調査結果を元に審査が行われ最終的な決定がなされるのです。

※生活保護の認定基準の要となる「最低生活費」。これは、家族構成や年齢、世帯人数などの要素をふまえて計算されます。

さらに市区町村によってもその金額の基準が変わってきますので、ご自分の世帯収入や資産の合計が最低生活費を下回っているのかどうかは、お住いの地域の福祉事務所で確認してもらいましょう。


申請場所と必要書類は?

生活保護の申請は、現在住んでいる地域を所管する「福祉事務所の生活保護担当」にて行います。
窓口に行っていきなり申請ができるわけではなく、まずは生活保護の申請のための事前相談(面談)を必ず行います。

申請自体には、必要書類としてこちらが用意しなければならないものは特にないとされていますが、事前相談の段階で、現在の自分の状況がわかるものを用意しておくと話がしやすいでしょう。

例えば

  • 離婚していることがわかるもの(戸籍謄本など)
  • 病気であることがわかるもの(障害者手帳など)
  • 家族構成がわかるもの(住民票など)
  • 現在の収入がわかるもの(所得・課税証明書など)

また、基本的な用意として、身分証明証と印鑑は持参しましょう。

さらに、申請後の調査のために、世帯収入が分かる書類や資産状況がわかる資料(銀行口座通帳の写し等)の提出を求められる場合があるので、予め用意しておくと良いでしょう。

申請の際には福祉事務所に用意されている申請書に必要事項を記入しますが、申請後の調査は詳細かつ厳密に行われますので、申請を通すために嘘の記載をするなどの行為は決してしないようにしましょう。


生活保護で受けることのできる扶助

生活保護の申請が通ると、以下の項目について扶助を受けることができます。

  • 生活扶助(日常生活のための費用)
  • 住宅扶助(住まいの家賃)
  • 教育扶助(義務教育を受けるために必要とする学用品などの費用)
  • 医療扶助(医療サービスを受けるための費用)
  • 介護扶助(介護サービスを受けるための費用)
  • 出産扶助(出産のための費用)
  • 生業扶助(就労するために必要な技能の取得などにかかる費用)
  • 葬祭扶助(葬祭のための費用)

また、所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料、NHK受信料などの支払いも免除されることになります。


生活保護受給者の義務、受ける制限

先の項目でも触れたとおり、生活保護は「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方」のための制度です。

そのため、生活保護を受けるに当たって、ある程度の義務、制限が課せられることになります。

  • 福祉事務所の指示、指導に従う
  • 生活の向上、自立を目指す
  • 生活保護費以外の収入がある場合、正しく申告を行う
  • 住居とする物件の家賃に制限がかかる
  • ローンを組むことや、クレジットカードでの買い物などはできない
  • 車など、金額の大きい財産となるものを所持できない
    (車がないと生活が困難な土地では認められることがあります)
  • 過大な預貯金を持つと、受給停止の可能性がある

車が財産にあたるか、預貯金はいくらまで大丈夫か、などは議論の余地があり、地域の福祉事務所でも判断が分かれるところです。

特に預貯金については、子供の学費、自立のための資金など、目的によっては認められる可能性もあるため、ケースワーカーに正直に申告し相談する必要があります。



このように、生活保護を受給することで制限されることも多くあります。

しかし、最低限の生活が成り立たないと目される場合には、躊躇せず相談に向かうことをおすすめします。

福祉事務所では生活に困窮する世帯の相談に乗ってくれます。
生活保護のみならず、これまで知らなかった公的扶助の案内を受けることができるかもしれません。

離婚後の生活に対する不安が大きい方にとって、心強い味方となってくれるでしょう。