探偵調査員の適正年齢をあえてあげるならば、「20代半ば~50代まで」が適正ではないでしょうか。
探偵事務所を開業するとなると、「成年者と同一の能力を有しない未成年者」は欠格事由に該当するため、未成年者は探偵事務所を開くことができません(※)。
ですが、調査員として働くことはできます。
雇用さえされれば、高校生でも可能です。
しかし、未成年、特に高校生を雇う探偵事務所はほとんどないというのが実情です。理由については後述します。
また、探偵事務所には定年制を導入していないところも多く、年齢の上限にも特に定めはありません。
中には60代、70代になっても探偵事務所で働いている人はいますが、経営者である、もしくは若手育成の指導員であったりと、調査の現場を離れているケースが大半です。
探偵は50代を超えると体力的に限界を感じる人が多く、現場を離れたり、離職する率が高くなります。
話術がうまい、聞き込み能力があるなど、一部の専門スキルに特化して現場に出続けるケースもあるため、一概に「調査員は○歳までしかできない」というようなことはいえません。
ここでは、適正年齢が20代半ば~50代と挙げた理由について、見ていきたいと思います。
中には若い人と比べても遜色ない60代もいますが、たいていの人は体に衰えを感じるので現役探偵として活躍できる限界は50歳くらいまでかもしれません。
探偵の就業時間は、一般的な9時~17時のように時間が固定されていません。
尾行や張り込みは大抵深夜~早朝帯になるため、前項で挙げたような体力が必要になるのはもちろんのこと、24時間どの時間帯でも稼動できる柔軟性が必要です。
そのため、22時~翌朝5時まで就業できない高校生は、調査員として雇用されることはほとんどありません。
また、18歳以上であっても、学業やサークル活動が優先されるような学生は、バイトでも雇用されにくいかもしれません。
適正年齢が20代半ば以上と挙げられるのは、たとえアルバイトであっても学生ではなくフリーターで、稼働時間に融通が利くタイプが多いためです。
学生であっても、柔軟に対応できる人であれば歓迎されるでしょう。
探偵はただ相手の後をついていくだけではなく、このあと相手がどう動くか推測しながら調査をしています。
人生経験を積んだ30代~40代の探偵であれば相手の心理を読み、次の行動の推測ができますが、同年代の友人に囲まれて育った若い人には年上の心理や行動は全くわかりません。
この人生経験の差が調査結果に関わってくることも多く、体力だけで調査をしている若い人はやはり失敗もたくさんあります。
探偵に資格はありませんが、必須アイテムともいえるのが車の免許です。
尾行や張り込みがメインになる探偵にとって、車の運転ができることは最低条件です。
探偵が高校生を雇うことがほとんどない理由の2つ目として、18歳未満は車の免許を取得できないからというのが挙げられます。
また、探偵はただ車の運転ができればいいというものでもありません。
バレないように相手の車を尾行する、予想外のことが起こったときに咄嗟にルート変更などの対応を取るというのは、ある程度車の運転に慣れていなければできません。
そのため、運転歴の浅い未成年や20歳そこそこの若者よりも、それなりに運転歴のある20代半ば以上の方が有利になることがあります。
逆に、どれだけ運転に通じていても、60代、70代と、免許返納を謳われるような年齢は不利になることが多いです。
探偵の適正年齢を挙げる上でいくつかの理由をお伝えしてきましたが、すべては「絶対」ではなくあくまでも「目安」です。
就業時間に限りがあり、免許を持たない高校生でも、調査員として働くことができるケースもあるでしょうし、70代など老齢になっても様々な経験を買われて調査員になることができるというケースもあります。
探偵に年齢制限はありません。
まずは一度挑戦してみてはいかがでしょうか。