1. 探偵TOP
  2. 探偵Q&A
  3. 探偵関連
  4. 興信所の由来とは

興信所の由来は?
探偵との違いはなんですか?

A: 興信所の由来を詳しく説明します。現代は興信所と探偵事務所がほぼ同じ扱いですが、歴史を掘り下げると元々は違う業種だった、ということもご説明します。

興信所の由来とは?

興信所とは、「信」は信用、「興」はおこる(隠れていたものがでる・探す・探る)という意味がある漢字を組み合わせた単語です。
広辞苑でも「興信」についての説明については“信用を興すという意か”と、書かれています。

興信所は、その意味の通り、主に企業や個人についての信用状況などを調査する業務を行う所、というわけです。

興信所という他人の行動などの調査を行う民間機関は、明治時代(1890年頃)から始まったものなので、単語自体もその時にできた造語であると考えられます。

その意味の通り、興信所は、主に企業や個人についての信用状況などを調査する業務を行う所、というわけです。名は体を表す、と命名されたのでしょう。


興信所の起こりと歴史

興信所の由来について調べていると、“紳士録”という書物に行き当たります。
紳士録自体は元々イギリスで作られた“Who's Who”が起源です。

この本の別名は興信録といい、実業家界隈の法人の信用程度を明らかにする目的で、興信所の設立より数年前に作られています。

中身は、法人の営業状況や財産について、また代表者等の個人の生年月日・住所・学歴・出生地・家族構成・趣味など、莫大な情報が記されています

ではなぜ、このような企業の情報や他人の信用状態を調べなければいけない、興信調査が必要な状況が生まれたのでしょうか?

それは、ビジネスの世界で商業手形による信用取引が主流化したためです。

簡単に解説すると、商業手形取引はメリット自体はとても多いのですが、資金を決済するために2か月から3か月の期間があいてしまいます。

その間に相手会社が潰れてしまえば、まったく利益がなくなってしまうという致命的なデメリットがあります。

だからこそ、本当に信用できる相手と商取引をするために、興信所による信用調査が必要になったのです。

日本では、まさに明治時代に近代的な商業手形取引が全盛になります。
その時代とともに、必要に駆られて興信調査を行う専門の会社が参入してきたのです。興信所は時代に求められた機関だと言えるでしょう

実際に日本で生まれた興信所は、銀行によって出資され設立されています。それはつまり、興信所は、安全な商取引のために必要だったからではないでしょうか。
英語で興信所は「Credit bureau」と表すことができますが、この単語は、まさに金融事情に特化した商業信用調査機関を指す単語です。


興信所と探偵の違いは?

興信所と探偵の違いを説明する前に、まずは興信所と同じように、探偵という単語の由来を説明します。
「探」はそのまま、さぐるという意味で、「偵」は様子をうかがう人という意味です。

実は日本では古くは江戸時代から、調査活動を行う人を意味する意味の単語として「探偵」は存在していました。

当時でいう警察組織の下級役人や協力者たちが「探偵方」と呼ばれていたのです。
このことだけで言うと、興信所よりも、探偵の方が古い存在だと言えますね。

英単語の「Detective」も、探偵だけではなく警察についても含めて指す単語のようです。

日本以外の国では、多くの権限があることもありますので、ふさわしいと言えるでしょう。

つまり、興信所は企業の信用調査をしている会社で、探偵は事件や犯罪を追う職業です。興信所とは、元々違う業種を指すものだったのです。

とはいえ、現代では興信所と実質的な違いは無く、法律上同じ業種ということになっています。

探偵も人の居場所や行動について、興信所と同じように調べることが可能です。

企業の信用調査だけではなく、個人からの行動調査、行方調査等の調査も興信所と共通して行っています。

下記のページには、探偵に依頼できる調査内容を掲載していますが、興信所でも同じ調査ができますので参考になさってください。

興信所の調査中は、対象者はわかるもの?

興信所が企業や個人の調査を行うにあたって、調査の対象者(社)にバレてしまうのかどうかが気になるという方がいます。
コソコソと自分のことを調査されていたら、良い気分ではないと想像されるのでしょう。

また、これから契約しようと約束している相手について調べたいときに、興信所に依頼していることが知られてしまったら決まりが悪い、ということもあります。

実際に法的な正当性がない場合は、興信所は調査対象者に通知して調査を行う必要があります。
法的な正当性とは、「興信所業者が講ずべき個人情報保護のための措置の特例に関する指針」という警察庁からの通達によって定義されているものです。

その通達における条件により、興信所が個人の情報などを調査する場合に、調査対象に通知しなくて良い対象者は4つの条件があります。

  1. 調査対象者が依頼者の配偶者である場合
  2. 調査対象者が依頼者の親権に服する子である場合
  3. 調査対象者が依頼者の法律行為の相手方(契約当事者)になろうとしている場合
  4. 依頼者が犯罪やその他の不正行為による被害を受けていた場合

この4つの条件に当てはまる調査の場合は、調査することを対象者に通知する必要はありません。

要するに、依頼者が調査対象者の家族(妻・夫・子供)であったら通知せず信用調査を依頼できます。

なお3番目の「法律行為」とは、結婚や雇用契約を結ぶ就職時なども含まれ、多岐にわたります

これらの条件に該当しない調査の場合は、興信所は調査を行うことを対象者に通知し、承諾を得たうえで調査を行うことになります。

その場合の調査方法は、任意のアンケートに答えてもらう体裁をとったり、興信所側がしっかり名乗った上での聞き込み調査、などで行われます。

さらに、この「興信所業者が講ずべき個人情報保護のための措置の特例に関する指針」という通達では、興信所が依頼によって得た個人情報などについてをデータベース化することを許されていません。
個人情報の保存期間を設け、依頼者に報告をしたあとは、速やかに情報を破棄することと定められていますので、興信所からの情報漏えいの心配などがありません。

情報を漏えいしたり、その情報を利用したり、また対象者が恐怖を感じるような調査を行う業者は、「探偵業の業務の適正化に関する法律」の他にもさまざまな刑法により罰せられます。

興信所に調査依頼をして契約を結ぶ際に、不審な点があったり、疑問点があれば、積極的に質問をしましょう。
納得せずに興信所と契約を結んでしまったり、不可解な対応をされた場合はしかるべき場所に迷わず相談してください。