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  4. 財産分与で相手の財産を把握するため、隠し財産の探し方はありますか?

財産分与で夫の財産を把握したいのですが、隠し財産の探し方はありますか?

A: 隠し財産の探し方には、大きく「弁護士会照会」「裁判所を通じた調査委託」の2種類があります。ただ、これらを駆使するだけでは見つけられない場合も多く、日頃からいかに相手の財産の動向に目を凝らしておくかも大きなポイントになります。

財産分与は、いわば夫婦が婚姻期間中に築き上げてきた共通財産の清算です。たとえ一方が稼いで、一方が専業主婦(夫)であっても、財産分与を請求する権利があります。

離婚後の生活を支える資金としても、大切な財産分与。できるだけ多くもらいたいと考えますよね。

ですが、一方で意図的に財産を隠すことで、財産分与額を減そうと考える人もいます。

財産を隠されてしまうと、それを把握していない限り、もらえるはずだった財産を受け取ることができません。


離婚をするときになって相手が財産を隠していないか探りを入れようとしても、隠し財産の探し方がよくわからない、という方がよくいらっしゃいます。

今回は、どのようにして隠し財産を探せばいいのか、その方法を紹介していきます。


どんな風に財産を隠されるのか?

財産を隠す場合、次のような形が考えられます。いずれも配偶者に内緒であることが前提です。

  • 銀行口座を作り入金している
  • 株式口座を作り、投資している
  • 不動産を購入している
  • ペーパーカンパニーを設立し、会社のお金という名目で入金している
  • へそくりをためている
  • 骨董など価値のあるものに替えて、現金があることを隠している

隠し財産の探し方は大きく2種類ある

隠し財産は簡単に発見できるものではありません。

たとえば、銀行預金、有価証券、不動産などが隠し財産として考えられますが、いずれも通帳や証券、登記簿などの現物がなければ、「ある」とはいえないのです。

もしあなたが家中を捜索してこれらの現物を発見できたなら、かなりラッキーです。ですが、そうもいかないのが現実です。

そんなときに、隠し財産を探す方法が主に2種類あります。


  • 弁護士会照会制度
  • 調査嘱託制度

ですが、この2つの方法にも弱点があります。
その短所を埋めるために必要なのは、ご自身の日ごろからの「準備」です。

「弁護士会照会制度」と「調査嘱託制度」がそれぞれどのようなものなのか、またこの制度を利用する上で日ごろからやっておきたい注意点を詳しく解説していきます。


1. 弁護士会照会制度

まずは弁護士に依頼することで頼むことができる「弁護士会照会制度」です。

これは弁護士が訴訟や裁判所での手続きを引き受ける上で、必要となる資料や証拠を収集するための制度のことをいいます(弁護士法23条の2)。

引用:弁護士法 第二十三条の二(報告の請求)

どんなことを調べられる?費用は?

弁護士会照会を利用した際、財産分与の対象となる次のような項目について照会できます。

預貯金 取引銀行名と支店名が特定できていれば、口座の有無や取引履歴を照会
退職金 勤務先に問い合わせることで、給与や退職金を確認
株式 証券会社に問い合わせることで保有株式の銘柄や株数を照会
不動産 不動産が所在する市町村に問い合わせることで、不動産の固定資産税台帳や名寄帳を照会

費用は調査内容にもよりますが、1件あたり8000円~1万円程度です。


注意1 日本全国を対象に調査できるわけじゃない!

この制度を利用する上で注意しておきたいのが、調査対象が日本全国、全金融機関や証券会社ではないという点です。

金融機関の支店や、不動産を持っている市町村といった単位でしか調査をすることができないのです。

つまり、隠し口座のある銀行や、隠して持っている不動産の地域を特定しておかなければならない、ということです。

比較的簡単に調べられるのは「退職金」でしょう。
「夫が家計を握っていて本来の収入も知らない」「退職金の額面が夫のいうとおりかわからない」といったときに利用する方が多いようです。


注意2 法的な回答義務がない!

この制度の弱いところは、照会を受けた関係先に法的な回答義務がないことです。

相手がなんらかの理由をつけて回答を拒絶する可能性もあります。なので、回答を求める弁護士の手腕が問われてきます。


2. 調査嘱託制度

「調査嘱託制度」は、金融機関などに対して裁判所が情報開示請求・調査を行うことです。

これは弁護士会照会制度と違って、調停や訴訟などの手続きが始まっていることが前提となります。

たとえば「離婚前に」や「協議離婚」で裁判所に調査委託を依頼することはできないので注意です。


弁護士会照会よりも効力が強い!

弁護士会照会では法的な回答義務がなく、拒絶されることもあるとお話ししましたが、調査委託では公的機関である裁判所が動くため、回答率が断然上がります。


日本全国を対象に調査できるわけじゃない!

これも弁護士会照会制度と同じです。

調査委託を利用する際には、隠し口座のある銀行などをあらかじめ特定しておく必要があります。


2つの制度を利用する前に準備しておくべきこと

2つの方法をご紹介しましたが、大きな弱点に気づかれたはずです。

それは、隠し持っている口座の銀行や支店、不動産がある市町村などがあらかじめ把握していない限り、情報開示を求められない、ということです。

なので、隠し財産の端緒を掴んでおく必要があります。

そのためにしておくべきことをご紹介します。


隠し財産の痕跡を探す

同居中であれば、普段から家の中をくまなく観察しておくことで、隠し財産の痕跡を探しましょう。


【痕跡】
  • 見覚えのない銀行名の預金通帳
  • 任意保険の契約書の写しや明細書
  • 有価証券や不動産登記簿
  • 退職金の退職金額計算書(または明細書)
  • タンス貯金など現金のへそくり

など


隠隠し口座を探す方法

手っ取り早いのは通帳を見つけてしまうことですが、通帳が隠されて見つけられないこともあります。

そんなときの手がかりになるのが、隠されていない、あなたが把握している相手名義の通帳です。

その通帳から隠し口座へ送金している可能性もあります。履歴を調べ、不審なお金の動きがないかどうか確認してみてください。ネット銀行の場合も同様です。

銀行や支店名さえわかれば、弁護士会照会制度や調査嘱託制度で詳細をあきらかにすることが可能です。

また、銀行が定期的にダイレクトメールを送ってくることも多いので、郵便物には注意をしておきましょう。


株式などの証券を探す方法

株式は今はネットでの取引が主流のため、なかなか見つけにくいのが現実です。

ですが、取引はネットでも、口座開設の際には必ず郵便で書面が届きます。また、定期的にダイレクトメール、株主配当の書類などが届くはずです。

そういった郵便物に注意しておきましょう。

特に、最初に送られてくる書面には取引に必要な情報が記載されているため、めったに捨てることはないはずです。一度家の中を探ってみるといいでしょう。

終わりに

「弁護士会照会」や「調査委託」など、隠し財産を照会する方法はありますが、結局は「隠し財産がある」ことを把握していないことには利用できません。

なので、離婚を考えたら、まずは相手に悟られないよう相手の持ち物や相手宛に来る郵便物などをきちんと押さえておくことが大切です。

計画的に隠された財産を見つけ出すのは困難を極めます。

ペーパーカンパニーを設立してお金を移動させるような、たちの悪いケースもあるほどです。

厳重に隠された財産を見つけることに躍起になるよりも、確実に取ることができる財産をしっかり把握しておく方が、取りこぼしを防げて、結果的に多くもらえることに繋がることもあります。

まずは、隠し財産の有無に関係なく、現時点で財産分与の対象となる財産がどれだけあるのかを確認しましょう。

また、財産分与は離婚してから2年間請求することができます。

離婚までに財産分与を終わらせなければと焦るせいで、見落とすこともあります。
相手が財産を隠していそうであれば、しっかり時間をかけて徹底的に探っていってもいいでしょう。

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