浮気調査を行うときは、対象者に気付かれずに尾行をしなけばいけないので、探偵はさまざまな尾行テクニックを駆使しています。
ただ街中を歩いている人を尾行するだけならそれほど難しくはないだろうと思われるかもしれませんが、実際の調査ではさまざまな想定外の場面に遭遇します。
たとえば、通勤時間帯の電車であれば、満員電車で相手の視認が難しかったり、女性専用車両に男性調査員が入れないということもあります。
また、商業施設で対象者が同じ場所を行ったりきたりして尾行が不自然になったり、対象者が突然タクシーや新幹線に乗り込んでしまうことも少なくありません。急に相手がUターンしてすれ違ってしまったという話もよく聞きます。
これらのような想定外のシチュエーションでも、臨機応変に対応して尾行を続けなければなりません。
今回は、「徒歩」と「車両」の2パターンの尾行テクニックをご紹介していきます。
自分で浮気調査をしようと考えている方は、尾行も1人ですることを想定しているでしょう。
しかし、プロの目線でいえば徒歩・車両どちらの場合も、1人で尾行することはオススメしません。理由は大きく4つあります。
こうした理由から、探偵社でも原則尾行・張り込みには調査員2人以上が派遣されます。
自分で尾行をするときにも、信頼できる人に頼めるのであれば、2人以上で尾行するほうがいいでしょう。
尾行をする時に一番大切なのは距離感です。
基本は対象者に怪しまれず見失わない距離で尾行しますが、人通りの多さ・道の大きさ・周辺状況によって適切な距離間は変わります。
たとえば人通りの多い場所であれば、距離を置きすぎると見失うリスクが高くなります。他人をはさみながら、相手を見逃さない距離で尾行する必要があります。
しかし、人通りの少ない道や住宅街だと、距離が近すぎると対象者の注意を引いてしまう可能性があります。なるべく距離を置き、建物や車の陰などで様子を見ながら尾行しなくてはなりません。
周辺の状況を把握し、相手の動きを見ながら、適切な距離を調整していきましょう。
対象者が角を曲がるときや信号待ちをしている間など、何気なく周囲をうかがったり振り返ったりすることがあり、対象者と目が合ってしまうということがあります。
こうした行動はパターン化していることもあるため、相手の癖を把握しておくことで、リスクを減らすことができます。
また、先述したとおり取るべき距離感は場所にもよりますが、視界に入る位置で尾行しないということも、こうした想定外の行動への備えになります。
視界に入らないようにするといっても、同じ電車に乗っていたり商業施設を歩いていれば目に入ってしまうことも少なくありません。そのときになるべく印象に残らないよう、こまめに変装をしなおすこともテクニックの1つです。
リバーシブルのジャケットを使う、眼鏡や帽子などをかけたりはずしたりする、髪型を変えるといった小さな変化でも、十分に印象は変わります。
ただし、目に付くような派手な色や柄のものは避けましょう。
尾行や張り込みのときには、その場で不自然に見えないようにすることが大切です。
たとえば尾行で相手が振り返ったからと急に物陰に隠れたり、目が合って挙動不審になっていたり、張り込み中に警察官に職務質問されてオロオロしたりすると、すぐにバレてしまいます。
スマホを触っている振りをする、スーパー内なら買い物籠を手にしておく、話しかけられても慌てずに対応するなど、過度に「ばれてはいけない」と怯えず、自然な振る舞いを心がけましょう。
徒歩で尾行する場合、対象者が急に車やバスに乗り込むことがあります。 そういうときにもすぐに追いかけられるよう、交通系のICカード(SUICAやPitapaなど)は必ず用意しておいてください。
ICカードを使って追いかけたけど残金が足りなかった、という事態が起きないよう、ICカードには少し多めの金額をいれておきましょう。
人通り少ない暗い夜道での尾行は振り替えられた場合高確率で不審に思われます。
かといって距離を離しすぎると見失ってしまう、このような場合に自転車を使用します。
自転車であれば一瞬で間合いをつめることが出来るので遠くからの尾行でも見失うリスクを軽減できます。
尾行に車を使うときは、車種はなんでもいいというわけではありません。
派手な色や特徴的な外車を使うことは避けましょう。探偵は一般的によく走っている白を使うことが多いです。
また、軽ではなくワンボックスやミニバン、セダンなどがよく使われます。
尾行の車種の選び方については、下記ページを参考にしてください。
浮気調査で車を尾行するには、どんな車種の車がいいですか?
車両尾行の場合も、徒歩尾行と同じように原則相手の視界に入らないことが望ましいです。
しかし車の場合はバックミラーやサイドミラーで背後を確認できるため、視認される可能性が高くなります。
ケースバイケースではありますが、基本的にはつかず離れずの距離を保ち、見失うことを恐れて極端に近づきすぎないようにしましょう。
このとき、相手の車のバックミラー・サイドミラーの死角になる場所を意識しておくのも大切です(ご自身の車で試しに確認してみるといいでしょう)。
基本的につかず離れずの距離を保つことが大切ですが、時には加速し相手の車に追いつくことが必要なときもあります。その典型が信号です。
信号が赤に変わってしまった場合、対象者が先を行ってしまっていては、完全に見失ってしまいます。
信号に注意しながら、ひっかかりそうだと思ったら、適時距離や速度を調整していく必要があります。
対象者が車を止めたりタクシーを降りれば、尾行する側もそれに倣わなければなりません。
ですが、まったく同じタイミングで車やタクシーを停めれば、すぐに不審に思われてしまいます。
少し距離を開けたり、タイミングをずらして駐車場に入れるなどの工夫をしましょう。
また、張り込むために車を停めるときも注意が必要です。
特に路上の場合は、警察に職務質問されたり近隣住民に通報される危険があります。また、不自然ゆえに対象者に印象を残してしまうこともありえます。
パーキングに入れて、一人は車を降りて張り込み、一人はいつでも車を動かせるように準備しておくなど、体制を整えておくといいでしょう。
尾行にはなるべく目立たない車両を使うことを提言しましたが、それでも同じ車がずっと追いかけていると目に付くことがあります。
そうした不審感を抱かせないために、2人以上で尾行を行い、こまめに運転手を交代することが望ましいです。
交代するときには、それぞれ簡単であっても変装をすれば、より対象者にバレにくくなります。
徒歩・車両と尾行テクニックをご紹介しましたが、これらはあくまでも一部に過ぎません。しいていえば、入門編です。
実際には、もっと細かなケースごとの対応例がありますし、運転技術そのものにかかわるテクニックもたくさんあります。
そのため、一般の方がお伝えしたテクニックを駆使して自分で尾行をしたとしても、成功するとは限りません。
尾行にはテクニックに加え、経験が何よりも重要です。それは一朝一夕で身につくものではなく、探偵の調査員も厳しい研修を積み重ねてようやくプロとして仕事ができます。
なので、探偵社としては、一般の方に安易にご自身での尾行はオススメできません。
尾行が万が一バレてしまうと、むろん喧嘩になるなど夫婦仲の悪化が懸念されます。
しかし、一番厄介なのは、あらためてプロに頼んで調査をしなおそうとしても、相手が警戒して証拠取得が困難になることです。浮気の調査は、「バレていない」と相手が油断しているうちにやるべきものです。疑っていることがバレてからでは遅いのです。
特に離婚や慰謝料の裁判を考えている方は、ご自身でやろうとはせず、我々プロの探偵にご相談ください。 尾行調査の経験豊富な調査員が多数在籍しています。
どのような調査をご希望されているかご相談いただれば、その調査に適したプランでの調査をご案内いたします。