夫婦が離婚した場合、取り扱いで困る物に家具があります。
など、家具の取り扱いについて夫婦それぞれで違った意見があると思います。
今回は、離婚した場合の家具の取り扱いについて3通りの方法をご紹介して、それぞれの利点や問題点について解説したいと思います。
家具の売却を選んだ夫婦は、売却で得たお金を財産分与の足しにしたい、と考えている方が多いはずです。
売却の方法としては、
という方法があります。
アンティークの家具や有名ブランドの家具は、中古であっても高く買い取って貰える可能性があります。
アンティーク家具なら、物や状態にも左右されますが、ソファーやテーブル1つで数万円の売値が付くこともあります。
その売却益を財産分与として夫婦で分け合うことができるので、離婚後の生活費アップも不可能ではありません。
ただし、売却には問題点があります。
問題点とは、必ずしも家具が売れるとは限らないため、売却しようと思っていた家具が売れ残ると、売れ残った家具を処分するために少なからず費用がかかってしまうこともあります。
そのため、家具の売却を考えているなら、夫婦が離婚して別々の生活をスタートさせる前に、全ての売却手続きを済ませておくか、売れ残った家具の処分を行うようにしてください。
そうすれば、売却益を夫婦のどちらかに持ち逃げされる心配もなく、家具の処分費用で離婚後に揉めることもありません。
買取サービスなどで売却する場合は、あらかじめネットで見積もりを算出できる業者もあるので、前もって利用するといいでしょう。
引っ越し先では夫婦が使っていた家具は大きすぎて使えない、全ての家具を持ち出すのは難しい、という場合に家具の破棄を検討します。
家具を破棄する場合、処分方法で迷うと思います。
一番確実な処分方法として、廃品回収業者に依頼して引き取ってもらう方法です。
ただし、廃品回収業者に処分を依頼した場合、処分費用が発生します。
この処分費用を誰が出すのか夫婦で揉めることがあります。
家具の処分でお金をかけたくないという方は、家具を欲しい人に譲るという処分方法もあります。
例えば、最近は不用品交換・譲渡アプリなどのネットサービスを使って不用品を処分する人は少なくありません。
また、地域によっては、区役所などで譲渡・リサイクル情報コーナーを設置しているところもあります。
処分にお金をかけたくないという方は、こうしたサービスの利用を検討して、家具を処分してもいいのではないでしょうか。
夫婦の思い出が詰まった家具を処分したくない。
離婚した後、引っ越し先でも同じ家具を使いたいという場合は夫婦で家具を引き取ります。
家具の引き取りを行う際、どの家具を夫婦のどちらが引き取るのか決める必要があります。
引き取りの方法はお互いに欲しい物を言い合って譲り合えば良いと考えたかもしれませんが、この方法はうまくいかない可能性の方が高いです。
何故なら、離婚する夫婦の多くは、相手に対して悪い感情を持っています。
離婚の原因がはっきりしている場合はともなく、円満離婚でない限り、家具をお互いが譲りあって分けるというのは、離婚する夫婦には難易度の高い方法です。
また、家具を引き取ったはいいが、見通しが甘く引っ越し先の住居に家具を運び込むことができなかったり、運び込むことが出来たとしても、家具に部屋が圧迫されて生活が不便になることもあります。
家具を引き取る際は、ある程度妥協して相手に譲る余裕を持つこと、そして、離婚後の生活にその引き取った家具が本当に必要なのかを考えてから、家具を引き取るようにしてください。
最後に、前項で紹介した3つの家具の取り扱いで共通する問題点について紹介したいと思います。
その問題点とは、「家具の所有者」と「夫婦で違う家具の取り扱いの意見」です。
家具の中には、結婚前から夫婦どちらかが所有していた物、また、結婚後にどちらかの夫婦から贈られた物があると思います。
このような家具は、離婚時に所有者で揉めることが多々あります。
結婚前から夫婦どちらかが所有していた物は、「特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産)」なので、財産分与の対象にはなりません。なので、所有していた方に処遇を決める権利があります。
結婚後に相手に贈ったプレゼントも、基本的にもらった方の特有財産になります。
夫婦間の贈り物には、贈与契約(民法549条)が成立しているものと考えられるため、「私(俺)のお金で買ったものだから」と主張しても、所有権はもらった方になります。
引用:民法549条 贈与
ただし、離婚が決まっていながら、「相手からふんだくってやろう」など悪意で物を買ってもらった場合は、後から贈与の取り消しが有効になり、財産分与の対象になることもあります。
また、相手の所有物を勝手に売却・処分してしまうと、損害賠償責任や窃盗、横領罪などの罪に問われる可能性があるので、気をつけてください。
夫は家具を売りたいと考えている、妻は家具を引き取りたいと考えているなど、夫婦で家具の取り扱いの意見がまったく違う場合、家具の取り扱いで揉めてしまいます。
このように、家具の取り扱いは揉める要素が多く、どの方法を取ったとしてもどちらかが不満を感じてしまいます。
少しでも揉め事を解消したいというなら、結婚した時に家具の所有権をはっきりさせておくか、離婚前に家具の取り扱いについて夫婦でよく話し合うようにしてください。