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母子家庭にはどんな手当が支給されますか?

A: 母子家庭に支給される手当のうち代表的なものとして、児童扶養手当が挙げられます。その他にも生活の不安を軽減してくれる手当、補助、免除、減免制度が多数ありますので、以下でご紹介します。

母子家庭(ひとり親家庭)が受け取れる手当はたくさん!
手当や補助・免除・減免制度を活用するための心得三か条

役所や福祉事務所等で積極的に情報をあつめましょう
子供は社会の宝、子供のためにも遠慮せず申請しましょう
心苦しくても、自立するまでは国や自治体に甘えても良い!

母子家庭で支給される手当と必要な手続きについて

離婚などの理由から、母親一人で子育てをしなくてはならない母子家庭は、経済的に困窮するケースが多く報告されています。

本来なら、夫婦二人で負担する子育てを、全て母親一人でやらなくてはならない。

そうなったとき、母子家庭の経済的な負担を少しでも減らすため、国や自治体で母子家庭に手当を支給しています。

この手当は、自ら申請をしなければ支給されません。
つまり、制度そのものを知らないことが、損をすることに直結してしまうのです。

手当を支給してもらうために必要な手続きと、どのような手当を受け取ることができるのか事前に確認が必要です。


監修行政書士

望月行政書士事務所

行政書士 望月義寛
第13181822号

母子家庭が受け取れる手当とは?

母子家庭は、どんな手当が受け取れるの?

母子家庭が受け取ることのできる手当ては複数あります。

手当は「児童そのものに支払われる手当」「住宅手当」「医療助成」「障害児がいる場合に支払われる手当」の4種類に大別することができます。

  • 児童手当/児童扶養手当
  • 母子家庭の住宅手当
  • ひとり親家庭等医療費助成制度
  • 特別児童扶養手当/障害児福祉手当

ここでは母子家庭だけが受け取ることのできるものに加えて、それと並行して受け取ることのできる各種手当もご紹介していきます。


児童手当/児童扶養手当

児童そのものに支払われる手当には「児童手当」「児童扶養手当」の2種類があります。

このうち「児童手当」は母子家庭にかかわらず、子どものいるすべての家庭が受け取ることができます。
「児童扶養手当」は、死別・離婚などひとり親の家庭を対象としているもので、児童手当と併せて受け取ることが可能です。


児童手当

中学校修了までの児童を対象に、月額0~3歳未満一律1万5000円、3~小学校修了まで1万円(第3子以降1万5000円)、中学生一律1万円が国から支給される制度。

ただし所得制限があり、規定された所得額を上回っているときは、児童1人あたり月額一律5000円の支給になります。


児童扶養手当

18歳までの子どもを対象(ただし子どもに障害がある場合は20歳未満)に、地方自治体から支給される手当。

所得制限があり、全額支給と一部支給に分かれます。

全額支給では月額児童1人4万3160円、児童2人5万3350円(児童1人の額+1万190円)、児童3人以上では1人増えるごとに児童2人の額にプラス6110円加算した額が支給されます。

一部支給は各自治体によって異なります。


この他にも、東京都では独自に「児童育成手当」が支給されているので、東京都にお住まいの方はこちらもチェックしてみてください。


母子家庭の住宅手当

母子家庭で20歳未満の子どもがいる場合に、家賃の一部を市区町村が負担してくれる制度です。


ただし、この制度は市区町村によっては設定していないところもあるため、お住まいの自治体に確認が必要です。


手当を受給するための条件や所得制限、支給額などは各市区町村によって異なります。


ひとり親家庭等医療費助成制度

18歳までの子どもと、子どもをひとりで育てる親(もしくは養育者)を対象に、健康保険の自己負担分の一部を自治体が助成する制度。各自治体によって所得制限額や助成額が異なるため、お住まいの自治体に確認してみてください。


この制度を利用するには、「生活保護を受けていない」「健康保険に加入している」など細かな条件があるので注意が必要です。


特別児童扶養手当/障害児福祉手当

障がい児を育てている場合の支援として、「特別児童扶養手当」と「障害児福祉手当」の2種類があります。

いずれも母子家庭にかかわらず、障がい児を持つ家庭なら対象となりえます。どちらも国による制度であり、条件さえ満たせば併用も可能です。

特別児童扶養手当

20歳未満の、精神や身体に障がいがあり日常生活に著しい支障がある子どもを対象に支給される手当。


障害者手帳の等級によって支給額が異なり、子ども1人あたり月額等級1級で5万1100円、等級2級で3万4030円が支払われます。ただし所得制限があるため、実際の支給額については確認が必要です。


障害福祉手当

20歳未満の、精神や身体に障害があって日常生活を自力で送れない、常時介護を必要とする子どもを対象に支給される手当。

支給額は一律月額1万4480円ですが、所得制限があり、所得が一定額を超える場合は支給されないこともあります


障がい児を持つ親への手当や支援制度は、この2つの他にも、各都道府県や市区町村ごとに独自に出していることが多いです。
ご自身のお住まいの都道府県や地域の制度を確認してみてください。

ここまで見てきた4つの手当以外にも、健康保険料、医療費など、生活に直結するさまざまな支出への公的補助があります。詳しく見ていきましょう。

母子家庭が受けられる減免や免除、支援について

先程紹介した、児童扶養手当などの各種手当は、手続きを行い申請が通れば、それぞれの給付元から月々(あるいは決められた支給月)に母親の口座へ振り込まれます。


(出生時に出した児童手当は、申請の際に世帯主である父親の口座に振り込まれていることが多くありますので、早急に変更の届け出を出しましょう。)

この手当以外に、母子家庭では様々な減免や免除、サポートを受けることができます。

  • 国民健康保険料の減免・免除
  • 国民年金の免除・猶予
  • 所得控除(ひとり親控除)
  • 保育所への優先入所、保育額の減免
  • 公共料金などの割引

ここでは母子家庭だけが受けられる支援に加えて、それと並行して受け取ることのできる各種支援もご紹介します。


国民健康保険料の減免・減免

母子家庭に限らず、前年より所得が一定基準減ったり、災害や病気などで支払いが難しくなった人は、国民健康保険の減免・免除を受けられます。

離婚や死別で母子家庭になった場合は収入が一気に減ることも少なくないので、覚えておきたい制度です。


減免の割合や免除の条件は各市区町村によって違うので、相談窓口に問い合わせてみましょう。


国民年金の免除・猶予

こちらも母子家庭に限らず、前年よりも所得が一定基準以下であり、やむをえない理由から国民年金保険料の支払が困難になった場合、保険料の納付が免除・猶予される制度です。


免除額は、全額・4/3・半額・4/1の4種類あります。
免除された期間は、年金を受け取る際に1/2を受け取ることが可能です。

全額受け取れるようにしたいときは「猶予」を選ぶこともできます。
各市区町村で手続きが可能なので、問い合わせてみてください。


所得控除(ひとり親控除)

離婚や死別でひとり親になった場合に、所得税が一部控除される制度です。


「ひとり親で子どもの総所得金額が48万円以下」「「合計所得金額が500万円以下」「住民票で事実婚と判断されない」という条件を満たせば、35万円の控除を受けることができます。


ひとり親であっても、一定の所得がある場合には適用できないので注意です。

保育所への優先入所・保育額の減免

ひとり親になると収入を確保するためにフルタイムでの勤務が必要になることが大半です。


そのため、多くの市区町村で、保育所に入所するときの優先度を測る基本点に「ひとり親にかかるフルタイムの就労内定」が加算対象として設けられています。

また、ひとり親では市民税・所得割額によって保育料が無料になったり免除される優遇措置があります。


一定の所得があっても、子どもの人数によって減額措置もあるので、お住まいの市区町村に確認してみてください。


公共料金などの割引

母子家庭では、「児童扶養手当を受給している」など一定の条件を満たしている場合、様々な優遇措置を受けることができます。


ただし、市区町村によって内容や条件は異なりますので、お住まいの市区町村への確認が必要です。


優遇措置には次のようなものがあります。


交通機関の割引

JRの場合、通勤定期乗車券を購入する際、通常の3割引きで購入することが可能です。
市区町村によっては、JR以外の交通機関でも 優遇を受けられることがあります。

割引制度を利用するには、「特定者用定期乗車券購入証明書」を市区町村で発行してもらい、交通機関の窓口に提出する必要があります。


上下水道料金の割引

上下水道料金の減免や免除を受けることができます。
この減免額や免除かどうか、優遇を受けるための条件は市区町村によって違うので確認してみてください。


粗大ごみの手数料減免

市区町村に申請することで、粗大ごみ等処理の手数料の減免・免除を受けることができます。こちらも減免額や条件は各市区町村で異なります。


資格取得や就職の支援

母子家庭の母親は、やはり自立するために収入を安定させたいという希望があるでしょう。
日本では、助成の平均年収が男性に比べて非常に低いため、父子家庭よりも貧困に陥りやすいといわれます。


そのため、国や各自治体では、ひとり親のための資格取得支援や仕事の斡旋など、様々な支援を行っています。

有名な支援制度として、「自立支援教育訓練給付金」と「高等職業訓練促進給付金」があります。


自立支援教育訓練給付金

児童扶養手当の受給者など一定条件を満たすひとり親が、指定の教育訓練講座を受給する際、受講料を一部負担してもらえる制度です。

ひとり親では、収入の安定や自立の上で資格取得は心強い味方になります。
介護関連の資格、医療事務の資格、会計事務関連の資格、登録販売者の資格など、幅広い資格の講座があるので、ぜひチャレンジしてみてください。

高等職業訓練促進給付金


児童扶養手当の受給者など一定条件を満たすひとり親で、取得に1年以上かかる高度な資格を目指す場合に、入学金や授業料を一部 負担してもらえる制度です。

看護師や准看護師、保育士、美容師、調理師など、専門学校への入学が必要な資格取得を考えているときは、この制度を利用するこ とができます。


その他にも、様々な支援制度があります。

  • ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業
  • 母子家庭等就業・自立支援センター事業
  • ひとり親家庭の在宅就業推進事業
  • 母子・父子自立支援プログラム策定事業
  • 高等学校卒業程度認定試験合格支援事業
  • ひとり親家庭への相談窓口の強化事業
  • ハローワークにおける児童扶養手当受給者等に対する就労支援(生活保護受給者等就労自立促進事業)

詳細については、下記サイトを参考にしてください。
ご自身の環境に合う支援制度を利用してください。


生活保護や公的貸付制度を利用する

ひとり親になって、怪我や病気で急に働けなくなった場合、生活費が大変です。

生活に困窮してしまった、してしまう恐れがある場合は、どんな補助制度があるのでしょうか?
ここでは2つの制度をご紹介します。


生活保護


仕事をしたくても仕事が出来ない何らかの理由があるとき、最低限度の生活を保障してくれる給付金制度です。
母子家庭であると、怪我や病気で収入が断たれると一大事です。「恥ずかしい」と考えてためらう人も少なくありませんが、遠慮なく活用してください。


ただし、母子家庭で生活保護を受けるためにはいくつかの条件があります。

  • 資産の有無   =資産がどれだけあるか
  • 就労能力の有無 =母親に仕事を行える能力があるか
  • 手当の活用状況 =他に利用している手当はあるか
  • 扶養義務者の有無=離婚した父親もしくは親族からの援助は受けられないか

母子福祉資金貸付制度


母子家庭において、就労や児童の就学などで資金が必要になった場合、都道府県や市区町村から貸付を受けられる制度です。


「就学資金」「事業開始資金」「医療介護資金」「生活資金」など様々な貸付資金がありますが、いずれも保証人があれば無利子で借りられることが大半です。



手当を受けるための大きな注意点

これらの手当は、それぞれ支給してもらうために基本的に手続きが必要です。

それぞれ手続きを行う窓口が違うこともあります。

また、地方自治体からの手当は所属する自治体によって金額、所得制限などが異なる場合がありますので注意してください。

手当を受け取るための手続きでは、必要書類を揃える必要があります。
この必要書類で重要な物が、「戸籍謄本」です。


母子家庭では離婚をした時、自分の戸籍を作るか、元の戸籍(母の両親の戸籍)に戻すことになります。

母親は、一つ前の戸籍(両親の戸籍)に戻ることが可能ですが、子供は母親の前の戸籍に一緒に入ることができません。
母親の旧姓を子供に名乗らせる場合、母親が旧姓で新たな戸籍を作る必要があり、その戸籍に子供を入れることが必要です。

自分の戸籍は離婚の手続きを行ったときに移したと思いますが、子供の戸籍はまだ移していないという方はいませんか?

子供の戸籍をまだ移していない、離婚した父親の戸籍に子供の戸籍が入ったままになっているという方は、手当の受給手続きの前に子供の戸籍の移動手続きを行ってください。


戸籍を後から変更すると、名前が変わることになりますので、受給に関しても再度変更手続きを行わなくてはいけなくなります。

もし子供の戸籍を前夫の戸籍に残したままにするのであれば、母の戸籍謄本に加えて、別途前夫と子供が入った戸籍の謄本が必要です。

細かな必要物は、他に印鑑がありますし、母親や子供の本人確認書類などが挙げられます。


手当の受給手続きから保険料の免除・減額手続きまで

  • 母子家庭になった
  • これから離婚をしてひとり親家庭になるという予定がある
  • こどもと自分だけで生活に不安がある

という方は、必ず手当の受給手続きの申請と保険料などの免除・減額手続きを行ってください

“天は自ら助くる者を助く”ということわざがありますが、自分たちのために努力をすれば必ず救われるでしょうという意味で、ひとり親家庭にはぴったりの言葉です。

離婚した後、子供が生活に苦しまないために、そして自分自身の苦労が少しでも減るように、これらの手続きは自分の手で行う必要があります。

面倒くさがったり、プライドなどで申請をしないと、あとから後悔することもあります。

手当を受け取るためには、申請期限が限られているものもありますので、配偶者との離婚の前によく調べてみてください。

手続きがわからない場合は、自分が生活している地域の役所や、福祉事務所にまず相談してみることをおすすめします。
直接相談に行く時間がないときは、自治体HPを確認したり、電話で問い合わせても良いでしょう。

また、紹介した制度は母子家庭ではなく、父子家庭でも該当する制度ばかりです。能動的かつ積極的に情報を集めてみてください。

各種ひとり親支援施策についての参考ページ↓
ひとり親家庭等関係|こども家庭庁

<おススメの文献>

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「こじらせない離婚―――「この結婚もうムリ」と思ったら読む本」原口 未緒
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