1. トップへ
  2. 離婚関連
  3. 母子家庭にはどんな手当が支給されますか?

母子家庭にはどんな手当が支給されますか?

A: 母子家庭に支給される手当のうち代表的なものとして、児童扶養手当が挙げられます。その他にも生活の不安を軽減してくれる手当、補助、免除、減免制度が多数ありますので、以下でご紹介します。

母子家庭(ひとり親家庭)が受け取れる手当はたくさん!
手当や補助・免除・減免制度を活用するための心得三か条

役所や福祉事務所等で積極的に情報をあつめましょう
子供は社会の宝、子供のためにも遠慮せず申請しましょう
心苦しくても、自立するまでは国や自治体に甘えても良い!

母子家庭で支給される手当と必要な手続きについて

離婚などの理由から、母親一人で子育てをしなくてはならない母子家庭は、経済的に困窮するケースが多く報告されています。

本来なら、夫婦二人で負担する子育てを、全て母親一人でやらなくてはならない。

そうなったとき、母子家庭の経済的な負担を少しでも減らすため、国や自治体で母子家庭に手当を支給しています。

この手当は、自ら申請をしなければ支給されません。
つまり、制度そのものを知らないことが、損をすることに直結してしまうのです。

手当を支給してもらうために必要な手続きと、どのような手当を受け取ることができるのか事前に確認が必要です。


母子家庭が受け取れる手当とは?

母子家庭は、どんな手当が受け取れるの?

母子家庭が受け取れる手当はいくつかあります。一番認知されている手当に「児童扶養手当」があります。

児童扶養手当は、父母が何らかの理由(主に離婚)によって、子供を一人親で養育していく場合に、地方自治体から支給される手当のことです。
お子さんが「18歳を迎える誕生日以後、最初の3月31日を迎えるまで」、児童扶養手当支給の対象となります。

(お子さんに政令で指定される程度の障害がある場合、20歳の誕生日を迎えるまでが対象期間です。)

令和2年4月現在、対象のお子さんが1人の家庭には、全額支給で月43,160円が支給されます。
対象の児童が2人であれば10,190円、3人目以降は都度6,110円が加算されます。

ただし、児童扶養手当には所得制限があり、受給者(この場合母)の所得、及び受け取っている養育費が増えるにつれて支給額は減額されるので注意が必要です。

また、今までは障害基礎年金等の額が児童扶養手当の額を上回る場合、児童扶養手当を受給できませんでしたが、令和3年の3月以降には、児童扶養手当の額が障害年金の子の加算部分の額を上回った差額を、児童扶養手当として受給できるようになるようです。

児童扶養手当の支給額は物価スライド制を導入しており、年度ごとに改定されます。

現在の状況を知りたい場合、お住まいの地方自治体の窓口に問い合わせするか、厚生労働省のホームページ等で確認してみてください。

混同しやすいものに「児童手当」がありますが、児童手当は子供を養育している家庭すべてが対象の手当です。

「児童手当」と「児童扶養手当」は名称がとても似ていますが、受け取れる金額がかなり違います。もう受け取っているから関係がない、と思いこまないようにしましょう。
児童手当は6月、10月、2月に中学校卒業まで受け取れるものです。

なお、児童扶養手当の他に、母子家庭で受け取れる手当には他にも「児童育成手当」というものがあります。

児童育成手当は、離婚の他にも、DVによって保護命令を受けた子供なども可能で、より幅広い条件の対象の子供が受け取れるものです。

母子家庭が受け取れる主だった手当に「住宅手当」というのもあります。

生活の基盤である家賃の補助は、母子家庭にとっては大変有用なものでしょう。

ただし児童育成手当と住宅手当は、全国でも扱っている自治体が少ないようなので、お住まいの自治体にこの制度があるかどうか確かめてみてください。

ここまで見てきた4つの手当以外にも、健康保険料、医療費など、生活に直結するさまざまな支出への公的補助があります。詳しく見ていきましょう。

母子家庭が受けられる補助や免除について

先程紹介した、児童扶養手当などの各種手当は、手続きを行い申請が通れば、それぞれの給付元から月々(あるいは決められた支給月)に母親の口座へ振り込まれます。

(出生時に出した児童手当は、申請の際に世帯主である父親の口座に振り込まれていることが多くありますので、早急に変更の届け出を出しましょう。)

この手当以外に、母子家庭では様々な補助や免除を受けることができます。

  • 健康保険料の減免
  • 国民年金の免除(減免)
  • 所得控除(ひとり親控除)
  • 医療費助成
  • 公共料金の割引
  • 保育料の減額

など

この補助や免除(減免)は、直接お金をタイプの手当とは違い、例えば健康保険料の支払い金額を免除(または減額)して納めることができるなど、家庭の支出を抑えることができます。

まず、健康保険料の免除の手続きでは、国民健康保険と、勤め先企業で加入する社会保険では手続きが違います。


社会保険を使用する場合は扶養家族がいる旨を所定の届け出用紙で提出すれば企業側で手続きをしてもらえるところがほとんどですが、国民健康保険の免除手続きを行う場合、各自治体の役場で申請が必要になります。

さらに自治体によっては独自の減免制度もありますので、各市町村の国民健康保険に関する窓口に問い合わせしてみましょう。


健康保険料の減免制度もですが、国民年金の免除制度も母子家庭に限らず、収入によって支払えないという低所得者が対象の制度です。
お近くの年金事務所に尋ねてみましょう。

そして、合計所得金額が500万円以下のひとり親であれば、35万円の所得控除を受けることができます。

控除を受けることによって、市営等の住宅へ入居条件の間口が広がることもありますので、ぜひ申請して活用しましょう。

医療費助成、保育料の減額についても、自分から窓口を訪れて確認しなければ、離婚したからと言って自動的に案内をもらえたりはしません。
能動的に動くことによって今後の生活が楽になるでしょう。


また、公共料金の割引制度については、市町村区が管轄する水道料金のみ対象であったり、所得制限などの要件が厳しいものであったり、そもそも自治体によっては割引制度を行っていないケースがあったりします。
保育料の減額なども、収入による制限があります。


そのため、この割引制度が適用される家庭はそう多くありません。
このことも、制度の知名度が低い理由のひとつとして挙げられます。


資格取得や就職の支援

母子家庭の母親は、やはり自立するために収入を安定させたい、という希望があるでしょう。

日本では、女性の平均年収が男性と比べて非常に低いため、父子家庭よりも貧困に陥りやすいと言えます。

就職しても、自立できるほど良い収入が望めずに困っている女性がとても多いのです。
そこで、各自治体では就業支援の講習会を開き、専門資格を取得させる取り組みを行っていたり、民間の専門学校への入学金の補助を行っています。

資格があれば、収入アップを目指すことが可能になりますよね。

介護関連の資格、医療事務の資格、会計事務関連の資格、登録販売者の資格など、自治体によってチャンスは様々です。

また、ハローワークには、「マザーズコーナー」もあります。こちらは、子供がいても行きやすい環境を整え、かつ女性が育児と仕事を両立しやすい職場を案内しています。


他にも就職や自立に対して細やかな相談に乗ってくれるので、気軽に利用してみてはいかがでしょうか。


生活保護や公的貸付制度を利用する

一人親になって、怪我や病気で急に働けなくなった場合、生活費が大変です。

生活に困窮してしまった、してしまう恐れがある場合は、どんな補助制度があるのか?ということを、解説したいと思います。

仕事をしたくても仕事が出来ない何らかの理由があり、子育てもしなくてはならない母子家庭では、生活保護の受給を考えるケースも少なくありません。

生活保護を受けるためにはいくつかの条件があります。

  • 資産の有無
  • 就労能力の有無
  • 手当の活用状況
  • 扶養義務者の有無

資産の有無とは、そのままの意味で、資産の有る無しなどが調べられます。

就労能力の有無とは、母親に仕事を行うための能力があるかどうか、母親の健康状態や仕事に対する意欲など、働くことが出来るのかを調べます。

手当の活用状況は、これまで紹介したいくつかの手当を活用しているかを確認します。
すでに使用しているのならそれも加味して該当するかを考慮されますし、活用されていないようなら、生活保護の前にまずは手当の受給手続きを推奨されます。

そして、最後に扶養義務者の有無です。

離婚した子供の父親や、その他親族から生活の援助を受けられないか調査が入ります。

金銭的な援助を受けられる相手がいる、と判断される場合、生活保護の条件には当てはまらなくなる可能性があります。
これらの条件を検討して、母子が生活するのに十分な収入がないと判断された場合、生活保護を受給することが出来ます。

条件について詳細は各自治体の窓口に問い合わせましょう。

生活保護を受給することは、決して恥ずかしいことではありませんので、困ったときは頼りましょう。
養育費を元夫から受け取っていれば、生活保護費は養育費を差し引いた金額が支払われます。

また、生活保護の他に母子家庭が利用できる制度として、「母子福祉資金貸付制度」があります。

これはいわゆる国(自治体)に借金をして、借りたお金で当面の生活を行うというものです。
消費者金融などでお金を借りようとしても、仕事が無く返済能力が無いとなれば、お金を借りることは出来ません。

しかし、「母子福祉資金貸付制度」を利用すれば、ほとんど無利子でお金を借りることができます。


目的として、生活費の他に事業開始をするための資金や、引っ越しをするための資金、子供の学費や就職や結婚のための支度金などと幅広い目的で借りることができます。(目的によって限度額や利率が変わります)


手当を受けるための大きな注意点

これらの手当は、それぞれ支給してもらうために基本的に手続きが必要です。

それぞれ手続きを行う窓口が違うこともあります。

また、地方自治体からの手当は所属する自治体によって金額、所得制限などが異なる場合がありますので注意してください。

手当を受け取るための手続きでは、必要書類を揃える必要があります。
この必要書類で重要な物が、「戸籍謄本」です。


母子家庭では離婚をした時、自分の戸籍を作るか、元の戸籍(母の両親の戸籍)に戻すことになります。

母親は、一つ前の戸籍(両親の戸籍)に戻ることが可能ですが、子供は母親の前の戸籍に一緒に入ることができません。
母親の旧姓を子供に名乗らせる場合、母親が旧姓で新たな戸籍を作る必要があり、その戸籍に子供を入れることが必要です。

自分の戸籍は離婚の手続きを行ったときに移したと思いますが、子供の戸籍はまだ移していないという方はいませんか?

子供の戸籍をまだ移していない、離婚した父親の戸籍に子供の戸籍が入ったままになっているという方は、手当の受給手続きの前に子供の戸籍の移動手続きを行ってください。


戸籍を後から変更すると、名前が変わることになりますので、受給に関しても再度変更手続きを行わなくてはいけなくなります。

もし子供の戸籍を前夫の戸籍に残したままにするのであれば、母の戸籍謄本に加えて、別途前夫と子供が入った戸籍の謄本が必要です。

細かな必要物は、他に印鑑がありますし、母親や子供の本人確認書類などが挙げられます。


手当の受給手続きから保険料の免除・減額手続きまで

母子家庭になった、これから離婚をしてひとり親家庭になるという予定があり、生活に不安があるという方は、必ず手当の受給手続きの申請と保険料などの免除・減額手続きを行ってください。

“天は自ら助くる者を助く”ということわざがありますが、自分たちのために努力をすれば必ず救われるでしょうという意味で、母子家庭にぴったりの言葉です。

離婚した後、子供が生活に苦しまないために、そして自分自身の苦労が少しでも減るように、これらの手続きは自分の手で行う必要があります。

面倒くさがったり、プライドなどで申請をしないと、あとから後悔することもあります。

手当を受け取るためには、申請期限が限られているものもありますので、配偶者との離婚の前によく調べてみてください。

手続きがわからない場合は、自分が生活している地域の役所や、福祉事務所にまず相談してみることをおすすめします。
直接相談に行く時間がないときは、自治体HPを確認したり、電話で問い合わせても良いでしょう。

また、紹介した制度は母子家庭ではなく、父子家庭でも該当する制度ばかりです。能動的かつ積極的に情報を集めてみてください。

<おススメの文献>

「シングルマザー生活便利帳: 六訂版2018-2019 (ひとり親家庭サポートBOOK)」新川てるえ 田中涼子
「こじらせない離婚―――「この結婚もうムリ」と思ったら読む本」原口 未緒
「フラクタル法律事務所の離婚カウンセリング ~離婚の答えが出るノート~」フラクタル法律事務所